初めての「年金振込日」に絶句の年金受給者、続出のワケ
用意周到に老後に備えてきた加藤さんですが、初めての年金振込日に愕然としたといいます。
――振込額は「ねんきん定期便」をみて想定した年金額よりもずっと少ない金額でした
「年金定期便」に記されているのは、いわゆる額面。税金やら、社会保険料やらが天引きされます。
老齢の年金は、所得税法の雑所得として扱われ、所得税がかかることになっています。65歳未満の方でその年の支払額が108万円以上の方や、65歳以上の方で158万円以上の方の場合は、原則として所得税がかかります。年金に課税される所得税は、源泉徴収することとなっていますので、日本年金機構では年金を支払う都度、所得税を差し引いています。
出所:日本年金機構ホームページより
一定以上の年金額であれば、所得税、住民税、介護保険料、国民健康保険料/後期高齢者医療保険料が引かれ、実際の年金の手取り額は、額面の85~90%になります。
――まさか年金から税金が引かれるなんて……45年も働いてきたのに、なんか裏切られたような気持ちでいっぱいです。
――私の場合、見込んでいた額より月2万5,000円ほど少ない。1年で30万円。年金だけで生きている高齢者には大き過ぎる誤算ですよ
「年金には税金がかかる」という年金の初歩的な知識。しかし、意外と知らない人、見落としている人は多く、初めての年金振込日にその事実を目の当たりにし、衝撃を受けるというのはお決まりのパターンです。
将来の年金見込み額がわかる「ねんきん定期」。老後をプランニングするのに、1年に1回はしっかりとチェックしたいもの。しかし、そこに記されている金額は額面であり、手取り額を想定してプラニングをしないと、無駄な努力で終わってしまうことを覚えておいたほうがいいでしょう。
――年金に税金等かかることを知っている人は知っているので、完全に私のミスです。でも誰かのせいにしないとやっていられません。とりあえず、もう少し働いて、貯金を増やしていきたいと思います
[参考資料]