――私、友だちとお店をやろうかと思っていて
家族全員が「えっ⁉」。一瞬、時が止まりました。元々、料理好きの妻。お世辞抜きで、その腕はプロ級です。そんな妻の手料理を毎日食べることができたのも、大野さんの幸せではありましたが、まさか起業とは……。店というのは、添加物を使用せず、天然素材にこだわったパン屋。小麦や卵や乳製品を使わない、アレルギー対応のものなどもラインラップして、誰もが美味しく食べられるパンを作っていきたいといいます。
――この年になって起業だなんて……
大野さんがいうと「挑戦に年なんて関係ないじゃない」と妻。
――これまでは全力であなたを支えてきたんだから、これからは、あなたが私を支えてよね
株式会社アントレによると、2023年の新設法人は約15万人。個人・法人の割合では、個人が85.2%を占め、年齢では50代が35.0%と最多。60代も15.9%を占め、60歳定年後の起業というのも珍しいことではありません。
サラリーマンの夫を妻が支える……日本ではよくみられる構造ですが、60歳定年を機にバトンタッチ。夫が妻を支えるというパターンも増えていくかもしれません。
[参考資料]
株式会社アントレ『【2024上半期まとめ】23年の新設法人が15万人!シニア層に起業拡大 アントレ独自調査でもシニアが活況、50代の会員率が過去最多を更新』