街中がクリスマスイルミネーションに彩られ、ウキウキが止まらない今日この頃。1年のなかでも幸せのあふれる季節ですが、誰もが浮足立っているわけではありません。なかには、懺悔の気持ちに涙している人たちも。
クリスマスなんてなくなればいい…〈月収12万円〉34歳・2児の母、イルミネーション煌めく駅前で「惨めです。」と涙 ※写真はイメージです/PIXTA

すべては学がないから…自身の学歴を悔やむシングルマザー

――意外と多いんですよ。シングルマザーだというと「手当も含めると何もしなくてもそれなりに収入があるんだから、大変みたいなこというな」とか、いってくる人。何も知らないくせに……

 

月収12万円というのは、しっかり働くことのできた月のことであり、佐々木さんの2人の子はまだ小さいこともあり、病気になりがち。保育園からはよく連絡が入り、はや引きをしたり、仕事を休んだりすることもしばしば。

 

 

内閣府『令和3年度 全国ひとり親世帯等調査』によると、母子世帯は全j国で119.5万世帯。母親の就業率は86.3%で、そのうち正社員は48.8%、パート・アルバイト等非正規社員は38.8%。仕事での収入は年間236万円。1ヵ月あたり19.6万円であり、佐々木さんがほかのシングルマザーと比べても低収入で不安定であることがわかります。

 

――去年のクリスマスは100円ショップで買ったおもちゃをあげたんです。ケーキは買ったら高いからホットケーキを焼いて生クリームでデコレーションして。イチゴは高いから代わりにグミを載せました。

 

来年のクリスマスは、もっと立派なケーキにするから。サンタさんももっと素敵なプレゼントを持ってきてくれるから……そんな話をしたといいます。

 

――最近、何でも高くなっていてとても去年よりもいいケーキなんて……約束したのに、本当に情けない。本当に惨め

 

涙を浮かべながら、さらに自分を責める言葉を続けます。

 

――すべては、私に学がないから。学があればきちんと養育費をもらえただろうし、もっといい仕事ができていたはず。私に学のないせいで、子どもたちに可哀そうな思いをさせている……

 

前述のひとり親等調査によると、母子世帯の養育費の取り決め状況を母親の最終学歴別にみていくと、高卒の母親の場合、養育費の取り決めをしてしている割合は39.9%に対し、大卒の母親の場合は66.5%と26ポイント近い差があります。

 

また養育費の受給状況についてみていくと、現在も養育費を受けている割合は、母親が高卒の場合で23.2%、大卒の場合で45.8%と、20ポイント近い差があります。

 

さらに子どもに対し、どのような学歴を望むかを尋ねたところ、大学・大学院卒を望む割合は高卒で39.8%に対し、大卒は86.9%。これらはあくまでも傾向の話ではあるものの、母親が高卒の場合、子の大学進学を望まず、結果、親から子へと貧困が受け継がれていく可能性が高いといえそうです。

 

――子の将来を考えるなら、親として大学まで行かせてあげたいと思う。でも今は、そんな未来など描けません

 

佐々木さんの2人の子は、100円ショップで買うようなプレゼントでも無邪気に喜んでくれる年齢。しかし、そのうち自分たちが置かれている状況を理解し、周囲の家庭のクリスマスとのギャップに哀しい気持ちを抱くようになるだろう――そんな思いはさせたくないと、焦る気持ちでいっぱいだといいます。

 

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[参考資料]

法務省『協議離婚制度に関する調査研究業務』

厚生労働省『令和3年度 全国ひとり親世帯等調査の結果』