60歳定年。その後、再雇用で働き続けるか、転職して働き続けるか、または退職して無職になるか。多くのサラリーマンは60歳を機に大きくこの3択に迫られます。同じく退職金についてもどうするか、検討しなければなりません。なかにはあまりに考えが浅はか、といわざるを得ないケースも。
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普段使いしている銀行から「セミナー参加」のお誘い
もやもやっとして、どこか漠然とした不安感を抱いていた伊藤さんですが、その後、普段使いしている銀行から連絡があったとか。普段、銀行から連絡を受けることなどなかったので、非常に驚いたといいます。
何事かと思えば、銀行主催の退職金セミナーへのご案内だったとか。そこには「退職金を運用して、きちんと老後に備える」という触れ込みが……興味をそそられ参加することにした伊藤さん。それまで「資産運用なんて難しそう」という先入観から、預貯金だけで乗り越えてきました。しかしその考えでは、どうやら安定した老後は難しいらしい……。
一段と先行きに不安を感じたところで、銀行から提案されたのが「退職金プラン」。破格の高金利の定期預金(6ヵ月)で、投資信託購入が条件というものでした。
はっきりいって、投資初心者の伊藤さんには意味不明。ただ「銀行のいうことだから間違いない」と考え、半分を定期預金、半分を投資信託の購入に充てたといいます。
――これで老後は安泰だな