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人の家の冷蔵庫をあさる「度を越した義姉」
「結婚生活の悩みをひとつ挙げるとすれば、夫の姉の存在でした」
都内のメーカーで事務パートとして働く長谷川由美さん(52歳・仮名)。夫の健一さん(54歳・仮名)の年収は約600万円。由美さんのパート代と合わせても家計に余裕はなく、自宅のマンションにはまだ1,200万円の住宅ローンが残っています。毎月8万円の返済を続けながら、細々と生活を送ってきました。
そんな由美さんを長年悩ませてきたのが、義理の姉である佐藤真理子さん(57歳・仮名)です。
「義姉は度を越したケチであり、常識がちょっとズレている。実家や私たちの家に来ては、必ず食事をごちそうになろうとします。『ちょっと冷蔵庫のなか、見せて』と言って、賞味期限の近い食材や未開封の調味料を根こそぎ持ち帰ることもありました。夫がやんわりと注意しても、『えっ、家族なんだからいいじゃない。私、なんかおかしい?』とまったく意に介しません」
そんな義姉の行動がエスカレートしたのは、夫の母である静子さん(82歳・仮名)が介護施設に入所したころからでした。義父はすでに他界しており、静子さんは実家で一人暮らしをしていました。しかし、足腰が弱ってきたことを理由に、自ら介護サービスも充実したサ高住への入所を決めたのです。
施設の月額費用は月18万円。そのなかに含まれていないサービスも合わせると、月々の支払いは約25万円ほどになりました。静子さんの年金は月15万円だったので、月10万円ほどを貯蓄から取り崩します。ただ、静子さんには3,500万円ほどの貯蓄があり、老後の資金としては十分でした。しかし、入居が決まるや否や、義姉は「実家掃除」を口実に頻繁に出入りし始め、静子さんから通帳と実印を預かりお金の管理を一手に握ったのです。
それから3年後、静子さんが心不全で他界。四十九日を終え、遺産分割の話し合いでのことです。
「義姉に言いくるめられやすい夫を心配し、私も話し合いの場に同行しました。そして四十九日を終えた席で、義姉がテーブルに放り投げた通帳を見て、私と夫は耳を疑いました」
テーブルに放り投げられた通帳を開くと、3,500万円あった残高が、わずか1,000万円に激減していたのです。
「1カ月に10万円ほど取り崩しても、1年で120万円……なんで3年で2,500万円もなくなっているんだよ!」
「知らないわよ。お母さんが自分で使ったんじゃないの?」
「施設にいて、こんな大金を引き出せるわけがないだろ!」
「私がやってと言うの? 文句があるなら証拠を出しなさいよ!」
逆ギレする義姉の態度に由美さんは絶望しました。使途不明金について義姉がシラを切り続けたため、残った預金1,000万円と実家の土地(評価額1,500万円)を等分する形で、協議書に判を押さざるを得ませんでした。表向きの遺産総額は2,500万円。基礎控除額の4,200万円を下回るため、相続税の申告は不要と判断されたのです。