60歳定年。その後、再雇用で働き続けるか、転職して働き続けるか、または退職して無職になるか。多くのサラリーマンは60歳を機に大きくこの3択に迫られます。同じく退職金についてもどうするか、検討しなければなりません。なかにはあまりに考えが浅はか、といわざるを得ないケースも。
銀行なんて信じなければよかった…退職金2,300万円・真面目に働いてきた60歳定年サラリーマン、大学の同期から聞いた「まさかの真実」に茫然 ※写真はイメージです/PIXTA

定年を機に「月収4割減」…漠然と広がる老後不安

伊藤さん、定年後は再雇用制度を利用して、そのまま働く予定。ただ収入はそれまでの月収の4割ほど少なることがネックだとか。

 

――住宅ローンの返済があと4年ほど残っています。子どもも独立したので、給与が4割ほど減ったとしても問題ないのですが、これまで右肩上がりだった給与が下がるというのは……やはり不安ですよね

 

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、大卒50代サラリーマン(正社員)の平均月収は53.2万円。60代前半は44.9万円と16%減。ただしこれは正社員の場合で、60歳定年を機に再雇用となると、多くが契約社員や嘱託社員など非正規社員となるのが定番。その平均月収は31.9万円で、正社員時代から41%減……大きな下落です。