父が亡くなり母だけになった実家に、長男出戻り
10年前に夫と死別した山本純子さん(仮名・78歳)。住まいは市郊外に建つ、築45年の戸建て(持ち家)。子ども3人(男・男・女)を育て上げた自宅で、現在は長男の大輔さん(仮名・50歳)と二人暮らしです。
2020年に行われた国勢調査によると、総世帯数は5,570万4,949世帯。そのうち65歳以上が1人でもいる世帯は2,265万5,031世帯。そして、山本さん宅のように、高齢者の母親と子どもからなる2人家族は196万7,960世帯あります。
【高齢者のいる世帯のいろいろ】
●高齢者が1人でもいる…2,265万5,031世帯
・高齢者が1人いる…1,256万8,138世帯
・高齢者が2人いる…973万1,365世帯
・高齢者が3人以上いる…35万5,528世帯
●ともに65歳以上の夫婦世帯…583万0,834世帯
・65歳以上夫婦と、夫の両親からなる世帯…1万1,385世帯
・65歳以上夫婦と、妻の両親からなる世帯…4,871世帯
●65歳以上の母親と子の世帯…196万7,960世帯
●65代以上の父親と子の世帯…43万5,030世帯
高齢者の母と、50代の子。その暮らしぶりを聞いてみると、純子さんの年金月16万円で生活のすべてを賄っているのだとか。純子さんの亡くなった夫の遺産も手つかずで残っているので、経済的に困っているということはないそうです。
もともと市外で働いていた大輔さんは、純子さんがひとり暮らしになるタイミングで実家に戻り、母との同居をスタートさせました。食事や家事全般は母の役目、ゴミ出しや買い物など、力を必要とする家事は大輔さんが担当していたり、手伝ったりしているようです。しかし家には毎月1万円しかいれておらず、「社会人としてどうなの?」と、弟や妹から批判の声も。高齢女性のひとり暮らしは何かと不安がつきまとうなか、純子さんとしては大輔さんが一緒に暮らしてくれているだけで安心という事情もあるようです。