大卒サラリーマンの定年退職金の平均額
長年の功労に報いる形で会社が支給する退職金。しかし、昨今は誰もが退職金を手にできる、というわけではなさそうです。
厚生労働省『令和5年就労条件総合調査』によると、退職給付金制度がある企業は74.9%。「従業員1,000人以上」の企業では90.1%、「従業員300~999人」で88.8%、「従業員100~299人」で84.7%、「従業員30~99人」が70.1%と、規模の小さな企業ほど、定年時に退職金がもらえない、ということになっています。またいまや転職が当たり前。十分な退職金がもらえるほどの勤続年数を満たしている人は、以前と比べてだいぶ少なくなっているでしょう。
定年退職金の平均額は「大学・大学院卒」で1,896万円、「高校卒」で1,682万円。月収換算でそれぞれ36.0ヵ月分、38.6ヵ月分。つまり定年直前の月収は、大学・大学院卒サラリーマンで52万円、高校卒サラリーマンで43万円ほどだったと推測されます。
大学・大学院卒の退職金について勤続年数別にみていくと、「勤続20~24年」で1,021万円、「勤続25~29年」で1,559万円、「勤続30~34年」で1,891万円、「勤続35年以上」で2,037万円となっています。新卒で入社してプロパーとしてずっと同じ会社で働いた場合、2,000万円ほどの定年退職金が期待できます。
それでは退職金が出たら何に使っているのでしょうか? 一般社団法人投資信託協会『60歳代以上の投資信託等に関するアンケート調査(2022年3月)』によると以下の通りです。
「日常生活費の充当」…25.6%
「旅行等の趣味」…21.7%
「住宅ローンの返済」…20.3%
「資産運運用のための金融商品の購入」…20.3%
「住宅のリフォーム」…19.0%
「家電など、耐久消費財の購入」…11.0%