同年代であれば「よーいドン」と、だいたい同じタイミングで社会人生活をスタートさせます。それぞれが別の道を行くのだから比べても意味はない……そうは思いつつも、どこかで意識してしまう同年代の給与。それは仕事から引退し、年金をもらうようになってからも続くようです。
毎週水曜の朝、近所の喫茶店で自慢話に花を咲かせる「年金月25万円・元勝ち組サラリーマン」に嫉妬。唇を嚙みながら接客する「68歳カフェ店員」の残念すぎる年金額 (※写真はイメージです/PIXTA)

同じサラリーマンだったが…勝ち組と負け組、20年で3,000万円の年金差

現役時代の給与差は、定年後も続いていきます。老後の生活のベースとなる公的年金には、国民年金に由来する老齢基礎年金と、厚生年金に由来する老齢厚生年金があります。そのうち老齢厚生年金は現役時代の給与ほどではありませんが、その給与によって支給額が変わります。

 

厚生労働省『令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、老齢厚生年金の平均受給額は、併給の老齢基礎年金と合わせて14万3,973円。65歳以上に限ると、男性が16万7,388円、女性が10万9,165円です。

 

受給額の分布をみていくと、元サラリーマンに限ると月10万円未満は8%弱。一方、月22万円以上は9.54%。脱サラなどして途中で厚生年金から脱退しているケースも考えられますが、どちらにせよ一度はサラリーマンという道を歩みながらも、下位10分の1では年金月10万円に満たず、上位10分の1では月22万円以上。1年間で150万円、10年間で1,500万円、20年で3,000万円……最上位層と最下位層で、こんなにも大きな年金差が生じます。

 

【老齢厚生年金受給者の年金受給額分布】

~10万円未満:22.72%(7.97%/47.53%)

10万~12万円未満:13.51%(4.39%/25.72%)

12万~14万円未満:11.70%(10.80%/13.46%)

14万~16万円未満:12.17%(14.82%/6.97%)

16万~18万円未満:13.12%(18.00%/3.54%)

18万~20円未満:12.01%(17.29%/1.63%)

20万~22万円未満:8.30%(12.16%/0.73%)

22万~24万円未満:3.98%(5.86%/0.29%)

24万~26万円未満:1.68%(2.48%/0.10%)

26万~28万円未満:0.58%(0.87%/0.03%)

28万~30万円未満:0.14%(0.22%/0.01%)

30万円以上:0.01%(0.11%/0.01%)

※数値左より全体(男性/女性)