「保育所不足」から一転「保育所余り」の時代へ
2016年、「保育園落ちた日本死ね」の書き込みで大きな話題となった待機児童問題。その後、急激に待機児童は減り、今後は「保育所の2025年問題」というものが勃発しているそうです。厚生労働省による将来の保育所利用児童数の推計によると、2025年をピークに減少することが見込まれ、運営・継続が困難な保育所が増える恐れがあるというのです。
――私のころはまだ大変だったけど
木村友里恵さん(仮名・36歳)。5年前に長男を出産したときのことを振り返ります。
――3月に出産して、半年後の9月に保育所を申し込んだけど入れなくて。翌3月にやっと入ることができて職場復帰しました
出産後、半年間の育児休業のはずが1年に延長。現行の育児休業は男女ともに原則最大1年間、特別な場合は最長2歳までは育休取得が可能とはいえ、「職場に迷惑がかかる」と気が気でなかったといいます。
厚生労働省『令和4年度雇用均等基本調査』によると、有期契約労働者の育児休業取得率は2022年、女性で65.5%、男性で8.57%。過去5年の推移をみていくと、女性は69.6%→77.5%→62.5%→68.6%、男性は7.54%→3.07%→11.81%→14.21%と推移しています。
ちなみに、厚生労働省『令和5年度男性の育児休業等取得率の公表状況調査(速報値)』によると、対象1,472社、うち1,000人超の企業1,385社の回答によると、男性の育休等取得率は46.2%、男性の育休等平均取得日数は46.5日でした。男性の育休は、大企業を中心に浸透していっているようです。
ちなみにこれから育休を検討している人たちにとって気になるのが、その間の給与。産休・育休は法律で定められた労働者の権利ですが、その期間内の給料の規定はありません。ほとんどの企業で無給というのが現実です。一方で給付金は充実。出産一時金は「子ども1人当たり50万円」、出産手当金は「標準報酬日額×2/3×日数」、育児休業給付金は「育児開始時の賃金日額×67%×日数*」となっています。
*180日まで。以降は50%
木村さんの場合、当時の月収は32万円。半年は月21万円強、以降は月16万円の育児休業給付金をもらうことができたといいます。ほかにも自治体によって独自の助成金や手当のあるところも。申請さえすればもらえるお金なので、きちんと調べておきたいところです。