(※写真はイメージです/PIXTA)
息子から援助を求められた日
神奈川県内で妻と暮らす山田一郎さん(67歳・仮名)。大手機械メーカーを60歳で定年退職しました。退職金は約3,500万円。65歳からは月18万円の年金が受け取れるうえ、4,000万円を超える預貯金もあります。住宅ローンも完済済み。大きな出費があっても耐えられると思った末の決断でした。
援助の相談があったのは、退職から2年後のことです。息子の翔太さん(39歳・仮名)から連絡がありました。
「少し助けてもらえないか」
翔太さんは都内の中堅企業に勤務しています。大学卒業後に入社し、現在も同じ会社に勤めています。年収は30代前半以降、大きな変化はないといいます。
「昇給はある。でも幅は大きくない。役職も空きが少ないんだ」
数年前、第一子誕生を機に住宅を購入。その後、第二子が生まれました。現在、下の子は3歳、上の子は小学1年生です。2歳年下の妻はフルタイムで働いていましたが、現在は時短勤務だといいます。
「保育園の送迎と学童の時間が重なる。フルタイムに戻すのは難しい」
世帯収入は、想定よりも2割ほど減ったとのこと。一方で、住宅ローン返済、保育料、学童費用が同時に発生しています。
「ボーナスをあてにして組んだ返済計画だった。ただ最近は支給が安定しなくて、赤字の月もある。今は貯蓄を取り崩している状態だ」
山田さんはその状況を初めて具体的に知りました。
「家を買ったとき、心配だったから細かく聞いた。そのときは問題ないと思っていたが……」
援助額は月8万円、年間で96万円にのぼります。
「期間は決めていない。子どもがもう少し大きくなれば、奥さんの働き方も変えられるかもしれないと言っている。その言葉を信じるしかない」
山田さんは、自分たちの支出を見直しました。毎月、計画していた小旅行は控えています。
「息子夫婦は自分たちのできる範囲で頑張って働いて子育てをしている。それでもお金が足りない。子どもの成長に合わせて支出も増えていっている。私たちの援助なしに、生活を安定させるのは難しい……」
援助は、すでに3年目に入りました。