がんはお金がかかるという印象が強い病気、がんへの備えはがん保険と考える人は少なくないでしょう。一方で、がん保険に加入していなくても、健康保険証があれば誰でも申請することができる保障があることをご存じでしょうか。本記事では、フリーランスで働く水谷さん(仮名)の事例とともに、がんでかかるお金と、公的保障「高額療養費」について、株式会社ライフヴィジョン代表取締役のCFP谷藤淳一氏が解説します。
大部屋に8日間入院で“請求額50万円”…乳がん罹患の年収450万円・40歳女性「病院食に1回460円は高い…」【CFPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

高額療養費の落とし穴

高額療養費のメリットと注意点を中心に述べてきましたが、実は、大きな落とし穴もあります。それは、がんの再発・転移等で長期の通院治療といったシナリオとなった場合、実は高額療養費はあまり機能しない場合があることです。

 

そういった高額療養費の特性を正しく理解し、社会保障制度では手薄なところを民間のがん保険でカバーする、そのような考え方が無駄のない民間保険の活用といえるかもしれません。ただそれを適切にするためには、日本の社会保障制度を理解し、かつがんになってしまったときに、どのようなシナリオがあり、どのようにお金がかかるのかを知ることが必要です。

 

そういった意味で、もし自分自身ですべてを正しく理解することが難しい場合には、社会保障制度とがんを熟知した専門家に相談することをお勧めします。
 

 

谷藤 淳一

株式会社ライフヴィジョン

代表取締役