誰もが訪れる「親の死」。悲しみに包まれるなか、相続税の申告などのために「遺品整理」を行う必要があります。そのとき思わぬものを発見し、仰天することも珍しくないようです。
年金18万円・実家でひとり暮らしの〈72歳父〉急逝。思い出に浸りながら「遺品整理」の〈40代の子どもたち〉が目撃した「亡父の別の顔」 (※写真はイメージです/PIXTA)

父の遺品整理で実家に集まった3人の子どもたち…思い出話に花が咲き

ひとり暮らしの親を心配する子ども。しかし小林さんの場合、親を心配する日々は、突然、終わりを迎えます。父親が突然亡くなったのです。心筋梗塞。近所の人たちと集まっているなか倒れたといいますが、孤独死ではなかったことが唯一の救いだと小林さん。

 

葬儀がひととおり終わり、落ち着いたころ、遺品整理のためにきょうだいたちが集まりました。

 

押入れから出たきたのは、古い家族写真。父の子どものころのもの、出会ったころだと思われる父と母、小林さんたちがまだ幼いころの家族の様子……「昔は、たくさん写真撮っていたよね」などと、思い出話に花を咲かせながら、遺品の整理を進めていったといいます。

 

株式会社林商会による『遺品整理に関する調査』によると、遺品整理を行ったタイミングとして最も多かったのは「葬儀後すぐ」で35.5%。「四十九日後すぐ」22.5%、「3ヵ月以内」20.5%と続きます。また遺品整理にかかった時間で最多は「1ヵ月以内」で22.0%。「1週間以内」17.5%、「3日以内」12.5%、「3ヵ月以内」12.0%と続きます。小林さんきょうだいのように思い出話をしたり、感情の整理をしたりしながら進めるからでしょうか、長時間かけて行う人も結構います。

 

遺品整理を一緒に行う人は「自分と親族数人」が8割と圧倒的。一方でモノが多く、業者に依頼するケースも珍しくなく、その費用は「自分たち+業者」というケースでは「1万~5万円」「5万~10万円」「10万~30万円」が22.2%。「業者に全面依頼」というケースでは「~30万円」と「30~50万円」が半数ずつでした。

 

遺品整理に思わぬ出費、という嘆きの声はよく耳にするもの。遺される人たちに大きな負担をかけぬよう、万が一のときのことを普段から親子で話し合っておくこと、また少しずつ終活を進めていくことが大切です。

 

小林さんらの場合、特に急ぐこともないと時間を見つけて、すべて自分たちで行うつもりだったとか。

 

――話に花が咲き、全然進みませんでした(笑)

 

遺品整理、2回目のとき。この日は父親の書斎の整理をすることになっていました。そこで見つけた遺品の数々に、小林さんたちは目が点となります。

 

――なに、これ?