医師は比較的所得水準が高いですが、日々の診療や研究などにより、節税対策や資産形成について後回しにしている人も多いでしょう。しかし、所得水準が高い医師こそ適切な節税方法を取り入れることで、税負担軽減や、将来の資産形成への大きな効果を得ることができます。本コラムでは、医師が手軽に取り組める節税方法や長期的な資産形成に役立つ手法について詳しく解説します。限られた時間の中で最大限の効果を得るために、ぜひ参考にしてください。

節税だけに留まらない!資産形成のポイント

(画像:PIXTA)
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節税の目的は、法律の範囲内で税金を減らすことで、可処分所得を増やすことです。しかし、単なる節税だけでなく資産形成も行うことで、長期的により安定した利益を実現することができます。ここでは、医師が効率的な資産形成をするための主なポイントを3つ解説します。

 

・分散投資を実践する
・長期的な視点での投資を行う
・専門家のアドバイスを活用する

 

分散投資を実践する

分散投資とは、異なる資産に資金を分けることでリスクを分散させ、安定したリターンを目指す方法です。株式、債券、不動産、現金などに分散することで、特定の市場や資産に依存しないポートフォリオを構築できます。例えば、インデックスファンドやETFの積み立てを活用すると、世界各国の株式に効率的に投資し、国際分散投資を簡単に実現することができます。また、不動産投資でも同一エリアに集中せずにエリアを分散して投資することによって、安定したリターンを目指すことができます。

 

長期的な視点での投資を行う

効率的に資産形成を行うためには、短期的な市場の変動に左右されず、長期的な視点で投資することも重要です。市場は日々変動しますが、長期的な視点を持つことで、一時的な損失に過度に反応せず、計画に沿った投資を続けることができます。

 

また、時間を味方につけることで複利の効果を最大限に活用し、資産を着実に増やすことが可能になります。このように長期的な投資は、将来の経済的な安定を築くために大切です。

 

株価の市場変動を随時チェックできないなどの理由から医師には短期投資は不向きかもしれませんが、長期的な視点で投資を行うことで安定した資産形成にもつなげられます。

 

専門家のアドバイスを活用する

忙しい医師にとって、資産運用をすべて自分で管理するのは難しいかもしれません。そのため、信頼できるファイナンシャルプランナーや税理士と相談し、専門家のアドバイスを受けながら資産形成を進めることをおすすめします。このような専門家の知識を活用することで、より効果的でリスクの少ない資産運用を実現できます。

 

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税務に関する記述の監修
宮路 幸人(税理士・CFP・宅建士・マンション管理士)

会計事務所での長い勤務経験で培った豊富な実務知識により、会計処理・税務処理および経営や税務に関する相談など、さまざまな問題に対応。宅地建物取引士、マンション管理士等の資格を保有し、不動産と相続関連に強みを発揮する。特に相続関連では、税務面だけでなく、家族の幸せを重視したトータルでの提案を行っており、軽いフットワークでお客さまのニーズに応えることをモットーとする。離島支援活動にも積極的。