「そうあるべき」は根深い
――いまどき、女性より収入が低いことが恥ずかしいって、古すぎません?
憤る田中さん。しかし、古くから刷り込まれた考えには根深いものがあります。内閣府男女共同参画局『令和4年度 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究』によると、性別役割について、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」などの4段階で聞いたところ、「男性はXXすべきだ」という項目について、全体的に男性のほうが高い傾向にあるといいます。
【性別役割「そう思う」の割合】
「男性は仕事をして家計を支えるべきだ」
…男性48.7%、女性44.9%
「デートや食事のお金は男性が負担すべきだ」
…男性34.0%、女性21.5%
「共働きでも男性は家庭よりも仕事を優先すべきだ」
…男性28.4%、女性21.6%
「家事・育児は女性がするべきだ」
…男性27.3%、女性20.7%
男性のほうが自身の性別に対し、「こうあるべき」に捉われがちであることがわかりますが、女性が「こうあるべき」に捉われていないかといえばそうではありません。「家事・育児は女性がするべきだ」の問いに対して、男女で7ポイント近くの差はあるものの、女性でも5人に1人は「そう思う」と回答。
今回、40代の田中さんが60代男性に対して「考えが古い!」と一喝したものの、「男性のほうが稼いでいてほしいなぁ」と思っている女性もゼロではなさそうです。
[参考資料]