ジェネレーションギャップのように、日常のさまざまなシーンで意識の差を感じることはあるでしょう。それに対して「考え方が古い!」と切り捨てるも、無意識に刷り込まれた考え方には根深いものがあるようです。
妻より年収が低いのはダメですか?「月収45万円・42歳サラリーマン」、飲食店で隣席の「60代男性グループ」にブチギレ&大喧嘩の顛末 (※写真はイメージです/PIXTA)

「そうあるべき」は根深い

――いまどき、女性より収入が低いことが恥ずかしいって、古すぎません?

 

憤る田中さん。しかし、古くから刷り込まれた考えには根深いものがあります。内閣府男女共同参画局『令和4年度 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究』によると、性別役割について、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」などの4段階で聞いたところ、「男性はXXすべきだ」という項目について、全体的に男性のほうが高い傾向にあるといいます。

 

【性別役割「そう思う」の割合】

「男性は仕事をして家計を支えるべきだ」

…男性48.7%、女性44.9%

「デートや食事のお金は男性が負担すべきだ」

…男性34.0%、女性21.5%

「共働きでも男性は家庭よりも仕事を優先すべきだ」

…男性28.4%、女性21.6%

「家事・育児は女性がするべきだ」

…男性27.3%、女性20.7%

 

男性のほうが自身の性別に対し、「こうあるべき」に捉われがちであることがわかりますが、女性が「こうあるべき」に捉われていないかといえばそうではありません。「家事・育児は女性がするべきだ」の問いに対して、男女で7ポイント近くの差はあるものの、女性でも5人に1人は「そう思う」と回答。

 

今回、40代の田中さんが60代男性に対して「考えが古い!」と一喝したものの、「男性のほうが稼いでいてほしいなぁ」と思っている女性もゼロではなさそうです。

 

[参考資料]

総務省『労働力調査2023年平均結果』

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』

内閣府男女共同参画局『令和4年度 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究』