多くの人の夢であるマイホーム。昨今の不動産価格の上昇を受けて、「少し無理して」で夢を実現する人が増えています。ただ長い長いローン返済、思い通りにいくかどうかは、あまりに未知数です。
駅チカ・1億円のタワマンを35年ローンで購入したが…「世帯年収1,200万円・40代夫婦」が震えた「言われてみれば当たり前のこと」 (※写真はイメージです/PIXTA)

年収740万円のサラリーマン「夫婦なら億ションが買える」

東京カンティが発表した新築マンションの年収倍率は2022年、全国平均9.66倍。東京都では14.81倍でした。これは各都道府県で分譲された新築マンション価格(70平米)を、平均年収で割ったもの。ここからわかることは、「新築マンションが高い!」ということ。全国で不動産価格の上昇はいわれているものの、交通利便性が高いことの多い新築マンションは、ひと際上昇傾向、高止まりといった様相。「ちょっと無理しないと、お目当てのマンションなんて買えない……」というのが現実です。

 

佐々木達也さん(仮名・40歳)も、ちょっと無理してマンションを購入したひとり。購入したのは東京郊外、駅前のタワマンで価格は9,800万円とほぼ億ション。

 

――別にタワマンに住みたかったわけではなく、駅チカのマンションを探したら、たまたまタワマンだっただけ

 

タワマンに住んでいることをやゆされることもあるらしく、あくまでもタワマンだったことは結果でしかないことを強調します。佐々木さんの給与は月収が45万円ほど、賞与も含めた年収は740万円ほどです。もともと予算としては6,000万~7,000万円が上限だったといいますが、価格含めて条件に合うマンションを探すも、なかなか見つからず……そして購入したタワマンも、最初は「買えないけど、費用以外は完璧」と、参考までにモデルルームを見学することに。そこで営業マンから「世帯年収からすると、1億円ほどの融資は全然問題ないですよ」と告げられ、俄然、乗り気になったといいます。

 

夫婦共働きだった佐々木さん。妻の収入は月30万円、年収で500万円。世帯年収は1,200万円です。以前、年収倍率は7~8倍が適当とする金融機関が多くありましたが、昨今の不動産価格上昇を受けて、東京では年収倍率10倍でも問題なく融資が下りるとか。

 

頭金2,000万円を用意していた佐々木さん。シミュレーションの結果、月々の返済は20万2,476円*。世帯月収で考えると返済負担率は27%。ただ年収で考えると19.5%になります。

 

*返済方式:元利均等、金利:0.5%、返済期間:35年で、7,800万円を借り入れした場合

 

――夫婦、二人三脚ならいけるんじゃない?

 

と、一気にテンションは爆上がり。一気に購入に至ったといいます。