急増!おひとり様の高齢者、全国に800万人
内閣府『令和6年版高齢社会白書』によると、65歳以上のいる高齢者世帯は、2022年、2,747万世帯と 全世帯の半数以上を占めます。また世帯構造についてみていくと、1980年には三世代世帯の 割合が一番多く、425万世帯と全体の半数を占めていました。2022年には、夫婦のみの世帯が882万世帯、続いておひとり様が873万世帯。三世代世帯は急激に割合が減り、194万世帯となっています。
【おひとり様高齢者の推移】
1980年:91万世帯
1985年:113万世帯
1990年:161万世帯
1995年:219万世帯
2000年:307万世帯
2005年:406万世帯
2010年:501万世帯
2015年:624万世帯
2016年:655万世帯
2017年:627万世帯
2018年:683万世帯
2019年:736万世帯
2021年:742万世帯
2022年:873万世帯
急激に増えている、おひとり様の高齢者。その数だけ、1人暮らしの親を心配する子どももいます。鈴木恵美子さん(仮名・52歳)もそのひとりでした。
1人暮らしをしていたのは80歳になるという母。父が亡くなったのは恵美子さんが小学生のときで、以来、母と娘2人で暮らしてきました。
――母はよく「娘、1人くらい、私1人の力で育てられるわ」と強がっていました
実際は会社に許可をとったうえで、夜は飲食店でアルバイトをしていたという恵美子さんの母。ひとり娘を大学に進学させるためと、もうひとつは海外留学をさせるためでした。
――父が生きていた頃の話。私が何かテレビでも観ていて「海外で暮らしてみたい!」といったみたいで。それに対し父は「大人になったら海外留学でもしたらいいよ」と返して。その会話を母は覚えていて、「海外留学するくらいのお金はあるから」とよく話をしてくれました。実際は夜にアルバイトまでして貯めたお金なのに
恵美子さん、大学に進学し、そろそろ就職活動というタイミングで、母の勧めもあって海外に1年ほど留学。学費に加え、毎月の仕送りも母は欠かさなかったといいます。