人気衰えぬタワーマンション。需要が高いにもかかわらず、神戸市の中心部では、あえて新たな建設を規制する条例が可決されました。「廃棄物を作るに等しい」という神戸市長・久本喜造氏の強い言葉が話題を呼んでいます。本記事ではSさんの事例とともに、タワーマンションの未来について、長岡FP事務所代表の長岡理知氏が解説します。
(※画像はイメージです/PIXTA)
タワマンを終の棲家にするのであれば、問題ないが…
ライフプラン上はSさんはなんの心配もなく希望のタワマンを購入しローンの返済ができますが、売却や相続にハードルがあることがわかります。
Sさんは退職後に沖縄に引っ越したい夢もあるので、いまは賃貸のまま住み続けたほうが無難かもしれません。家が狭いという問題はほかの賃貸物件に引っ越せば解決します。
また、もし今後結婚するとしたら定年退職後の夢や目標も変わってくるでしょう。そのときはまたライフプランを再検討し、住宅購入計画を練ればいいのです。いまは貯蓄と資産運用に励み、定年退職時に1億円以上の金融資産を持つようにすれば老後の夢はもっと選択肢が広がります。
購入した住宅を「終の住処」にするのであれば、資産価値を気にする必要はありません。しかし売却の可能性がある、あるいは売却を前提にしているのであれば、将来の資産価値と「街」の将来像を冷静に判断したほうがよさそうです。
長岡 理知
長岡FP事務所
代表