60歳を定年年齢と定める企業が多いなか、そこで現役を引退するか、それとも継続するかは、選択次第。定年で仕事を辞められるのは、その先、お金の心配は一切ない「勝ち組だけ」といえるでしょう。しかし、定年で現役を引退したからといって「勝ち組確定」というわけではなさそうです。
最高月収150万円・70歳の元エリートサラリーマン「ぶざまだな…」と自虐…勝ち組確定のはずが一転、「日雇いバイト」を探すしかない「まさかの実情」 (※写真はイメージです/PIXTA)

何歳まで働きたい?今と40年前と比べてみると

2013年、高年齢者雇用安定法の改正よって「60歳未満の定年」が禁止となり、さらに「高齢者雇用確保措置」として、「定年制の廃止」「定年の引上げ」「継続雇用制度の導入」のいずれかを実施し、2025年4月からは「65歳までの雇用確保」が企業の義務となります。

 

さらに2021年4月には「70歳までの就業機会を確保」を目的とする「高年齢者就業確保措置」を追加。「70歳までの定年引き上げ」「定年制の廃止」「70歳までの継続雇用制度の導入」「70歳まで継続的に従業員と業務委託契約を結ぶ制度の導入」「70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入」のいずれかを講じることを努力義務としています。

 

ちなみに継続雇用制度は大きく2つ。「勤務延長制度」は定年になっても退職扱いにはせず雇用を続けるもので、賃金や職務内容は大きく変わりません。一方、「再雇用制度」では従業員は一度退職扱いとなり退職金が支払われたあと、新しい雇用契約を交わします。その際に契約社員や嘱託社員扱いとなり、給与が減ったり職務内容が変わったりするのが一般的です。

 

定年を60歳としたまま、いつまで働くかは個人の判断に委ねられるようになってきましたが、では会社員は「何歳まで働きたい」と考えているのでしょうか。世論調査の結果をみていくと、「65歳まで」で過半数に到達。「70歳以上」はおよそ2割です。

 

ちなみに55歳定年が主流だった40年ほど前の同じような調査をみていくと、「60歳まで」で4割ほどだったものの、半数を超えるのは今と変わらず「65歳まで」。さらに3割は「働ける限りずっと」と回答していました。

 

【何歳まで働きたいですか?】

※内閣府『生活設計と年金に関する世論調査(令和5年11月調査)』

・50歳以下…7.8%

・51歳~60歳…14.8% 

・61歳~65歳…28.5% 

・66歳~70歳…21.5%

・71歳~75歳…11.4%

・76歳~80歳…6.1%

・81歳以上…3.6%

 

※内閣府『勤労者の老後の生活設計に関する世論調査(昭和56年8月調査)』

・50歳くらい…8.2%

・55歳くらい…10.9%

・60歳くらい…25.3%

・65歳くらい…12.0%

・70歳くらい…3.5%

・働ける限りずっと…33.3%

・その他…1.9%

・わからない…4.9%