国民年金保険料が払えない…なら「親が払う」のも手
日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満で、厚生年金保険に加入していない人であれば、第1号保険者(または第3号被保険者)となり、第1号被保険者であれば、毎月保険料を納める必要があります。
第1号被保険者は、自営業や学生、無職の人など。令和6年度(令和6年4月~令和7年3月まで)の保険料は月1万6,980円。毎年改定となり、10年前の平成26年度は15,250円、さらに10年前の平成16年度は1万3,300円、さらにその10年前の平成6年度は1万1,100円でした。
月に1.6万円ちょっと。それだけ、と感じる人もいれば、大きな負担と感じる人も。たとえば学生。「生活費は基本的に仕送りで……」という場合、そこから国民年金保険料を納めるのはかなり難しいでしょう。
そんなときに選択肢になるのが、「学生納付特例制度」。学生を対象としたもので、前年の所得が一定以下の場合など、要件を満たせば保険料の納付が猶予されます。将来、老齢基礎年金を受け取るためには、保険料の納付等の期間が10年以上であることが必要ですが、学生納付特例制度の承認を受けた期間はこの期間に含まれます。ただし、老齢基礎年金額の計算の対象となる期間には含まれません。
そこで40年間保険料納付した際と同様の満額支給を目指すなら、追納を検討したいところ。追納は10年以内であればOK。ただし学生納付特例の承認を受けた期間の翌年度から起算して、3年度目以降に保険料を追納する場合には、承認を受けた当時の保険料額に経過期間に応じた加算額が上乗せされ、やや割高になるので注意が必要です。
さらに親が保険料を払うという手も。子どもの国民年金保険料を納めることによって親は社会保険料控除を受けられ、年末調整や確定申告で申告すると所得税や住民税を減らすことができます。追納で割高の保険料を納める必要もないので、「学生の間は親が国民年金保険料を払っている」というケースはよく見られるものです。