年金機構から届いた「紫色のハガキ」。無視したら色付き封筒が届き…
――親が保険料を払ってくれている
そう話す加藤健一さん(仮名)。学生かといえば、今年45歳のフリーター。大学在学中から親が保険料納付を肩代わり。大学を卒業したら自分で、と思っていたものの、世は就職氷河期。一応、内定はもらったものの、希望する仕事では内定はでなかったといいます。
――こんな仕事をするために大学に入ったわけじゃない
そういって、ひとまず、フリーターとして社会に出たといいます。時給950円のバイト生活。それで国民年金保険料も払うのは無理な話で、引き続き、親が保険料を払い続けてくれたといいます。
同じような境遇の人たちは雇用環境がよくなったタイミングで正社員に登用されたり、資格をとって自立したりと、各々、キャリアを積んでいったといいます。しかし加藤さんは、ずっとフリーターのまま。一度も正社員を目指したり、資格をとったりということはなかったといいます。
――フリーターでもそこそこの生活ができるので、つい……
そんな加藤さん、一度、大きな危機に直面したことがあるといいます。ある日、年金機構から届いたハガキ。紫色の文字で印字された圧着ハガキで、表面には「大切なお知らせ」、裏面には「国民年金未納保険料納付勧奨通知書」と書かれていました。
「年金保険料は親が払ってくれているはず……」と思って放っておいたら、今度は年金寄稿から「青色の封筒」、それも無視していると「黄色の封筒」、さらには「赤い封筒」と届いたといいます。
さすがにおかしいと感じた加藤さん。赤色の封筒の写真を投稿したところ、すぐに「これはヤバい!」というコメントが着いたとか。これは国民年金保険料の納付をしていないと届く「特別催告状」。通常3回届き、緊急度合いを色でも知らせてくれます。
それでも保険料の納付に応じないと「最終催告状」が届き、それでも納付に応じないと「督促状」が届き、それでも納付に応じないと「差押予告通知書」が届きます。そして突然、差押え当日を迎えることになります。
――こんな通知が来ているんだけど!
赤い封筒をもって、実家に駆けつけたという加藤さん。実は、加藤さんの両親、終活の一環としてクレジットカードを整理。そのなかに、加藤さんの保険料が引き落されるカードもあり、誰も気づかないまま保険料の未納状態になっていたというのです。
――う、うそ……
赤い封筒の段階で気づき対処できたので、いまや加藤さんの鉄板ネタとして笑い話になっているものの、最悪、財産の差し押さえになっていたところなので気を付けたいところ。ちなみに、このできごとをきっかけに、加藤さん自身で保険料を払うようになったとか。
2023年度、国民年金保険料の滞納による「財産差押」は3万0,789件。近年、不公平感の解消から、強制徴収は強化されています。どんな状況であろうと、日本年金機構からの色付き封筒の無視は禁物。迅速に対応するのが、唯一の正解です。
[参照]
人事院た『2023年度国家公務員採用総合職試験(春)の合格者発表』
株式会社リーディングマーク『2026卒<東大生> 新卒就職人気企業 夏期ランキング』