強いストレスで休職する会社員、全体の0.6%。退職する会社員、全体の0.2%
仕事上のストレスとして、もうひとつ厚生労働省『労働安全衛生調査(実態調査)』の個人調査をみていきましょう。2023年調査で「(仕事上)強いストレスとなっている事柄がある」と回答したのは全体の82.7%。経年でみていくと、コロナ禍を経て、仕事で大きくストレスを感じる人が増えたことが分かります。
【強いストレスとなっていると感じる事柄がある】
2016年:59.5%
2017年:58.3%
2018年:58.0%
2020年:54.2%
2021年:53.3%
2022年:82.2%
2023年:82.7%
その内容を主なものを3つ以内あげてもらったところ、2023年調査の最多は「仕事の失敗、責任の発生等」で39.7%。「仕事量」39.4%、「対人関係」29.6%と続きます。一方、2016年調査の最多は「仕事の質・量」で53.8%。「仕事の失敗・仕事の発生等」38.5%、「対人関係」30.5%と続きました。
昨今の働き方改革が進んだからでしょうか。仕事量に対するストレスは減ったものの、そのひずみが別のところでストレスを生んでいるのかもしれません。
また実際にメンタルヘルス不調により、連続して1ヵ月以上休業した労働者がいる会社は、全体の10.4%。退職した会社は全体の6.4%でした。休業した労働者は全体の0.6%、退職した労働者は全体の0.2%にあたります。また経年でみてみると、調査年によって多少のバラつきはあるものの、休業者は全体の0.4~0.6%、退職者は0.1〜0.2%程度と、一定数にのぼることが分かります。
厚生労働省では2022年までにメンタルヘルス対策に取り組む事業所の割合を80%以上にする目標を掲げていましたが、目標達成を2027年に先送り。最新の2023年調査では63.8%と、先送りにしてもなお厳しい状況で、さらなる意識向上が課題となっています。
後日談。
結局、健太さんは休業の原因となった上司の元では働けないと転職を決意。新天地でストレスから解放され、仕事に邁進しているとか。一方で古巣で進行していた新規プロジェクトは頓挫目前。チーム長の健太さんの元上司が対応に追われているといいます。
[参考資料]
株式会社manaby『うつ病経験者が仕事でイライラしたことランキング』