必要なモノと欲しいモノを区別する
買い物をする際、それが必要なモノ(NEED)なのか欲しいモノ(WANT)なのかを区別することは非常に重要です。
必要なモノとは食事や服、生活用品など生活するうえで必要不可欠なモノのことを言います。一方で欲しいモノは、生活するうえで必須ではないが、欲しいと思うもの、つまり贅沢品のことを言います。支出が多い家庭の主な原因は、欲しいモノを必要なモノと思い込んでしまっていると考えることができます。
子どもと一緒に買い物をするうえでも、それが必要なモノなのか欲しいモノなのかを親子で考えてみましょう。必要なモノは親が買って問題ありませんが、おもちゃやお菓子などの欲しいモノはお小遣いの範囲で買うのが理想です。
欲しいモノを買うには計画的にお小遣いを貯める必要があります。その過程を経験することで、お金の大切さ、モノを大事にする心、貯金をする力が自然と育まれます。その反面、親が欲しいものを買い与えすぎると欲求を我慢することができず、将来浪費家になってしまう可能性があります。
しかし、絶対に親が買ってはいけないということはありません。子どもが頑張ったことに対するご褒美や特別な日というのは子どもにとっても特別な思い出になります。ただし「特別」が「日常」にならないように気を付けていきたいところですね。
「お金がないから買えない」はNG!?
子どもがおもちゃやお菓子を欲しがったとき、「お金がないから買えない」と言ったことはありませんか? 実は「お金がないから買えない」と子どもに伝えることはよくないとされています。その理由は以下の3つです。
1.素直に甘えられなくなる
「うちにはお金がないからおねだりしたらダメなんだ」という考えが植え付けられ、子どもが親に甘えることをためらうようになる可能性があります。
2.お金に苦手意識を持つ
お金を使うことは決して悪いことではありません。「お金がない」という言葉で、お金に対する苦手意識が生まれ、お金を使うべき場面でも使うことにちゅうちょしてしまいかねません。お金に苦手意識を持つことは、将来的にお金に振り回される要因にもなってしまいます。
3.嘘をついてもいいと思う
本当に現金がなかったとしても、現代はさまざまな決済手段があります。その場しのぎの嘘をつくことで、子どもも嘘をついていいと思ってしまう可能性があります。
では、どうすればいいのでしょうか? その場で即答せず、家に帰ってから欲しい理由をプレゼンしてもらいましょう。その理由を聞いたうえで、買うまでの過程を一緒に考えるのがよいでしょう。「毎月いくら貯金すれば買えるかな?」「何をすれば買ってもらえるかな?」など、子どもとのコミュニケーションを積極的に取ることが大切です。
できることから挑戦してみよう
本記事では子連れ買い物術をお伝えしましたが、完璧を目指す必要はありません。子育ては計画通りになかなか進まないものです。しかし買い物のプロセスを通じて、子どもは計画性や判断力を養うことができるようになります。
買い物を金融教育の一環として捉えることで、自然と子どもの成長をサポートすることができます。
子連れ買い物術を通じて、親子で楽しみながら金融教育を行い、将来的にお金との付き合い方を上手に学んでいけるきっかけとなれば幸いです。
内田 優帆
ファイナンシャル・プランナー/QOLアドバイザー