不動産投資は首都圏や都市部の物件であれば、安価な物件でも一般的に1,000万円以上の投資が必要となり、現金一括でなくローンを利用する場合がほとんどです。その中で「借金=悪」というイメージから、ローンを組んで投資をすることに対して借金を抱えるという不安を感じる人もいるかもしれません。本コラムでは、不動産投資で借金をすることが悪いことかどうか、借金をして失敗した事例も含めて解説します。不動産投資を検討中の方はぜひ最後までご覧ください。

不動産投資について
もっと知りたい方はコチラ>>

借金には「良い借金」と「悪い借金」がある

(画像:PIXTA)
(画像:PIXTA)

 

「不動産投資ローンが悪い借金か」を説明する前に、借金には「良い借金」と「悪い借金」があることを理解しましょう。ほとんどの人は日々何かしらの借金をしながら生活しています。例えばクレジットカードや奨学金、住宅ローンや自動車ローンなどサービスを受けて後払いをするものは「借金」といえます。

 

「これらの借金は悪い借金か?」と聞かれて「悪い借金」と断定する人は少ないのではないでしょうか。借金自体が悪なのではなく、その借り方や使い方に「良い借金」「悪い借金」という考えがあります。

 

ここでは、良い借金・悪い借金とはなにか、それぞれの違いを理解し、借金の中には良い借金と悪い借金があることを解説します。

 

「良い借金」とは

「良い借金」という定義は明確にはありませんが、ここでは自分が無理なく返済できる範囲内での借金を「良い借金」と定義します。自分の収入の中で支払える範囲内での借金であり、生活を豊かにしてくれるものや生活上必要な借入を「良い借金」とします。

 

また、無理なく返済できる範囲でレバレッジを効かすことができる借金は「さらに良い借金」といえます。レバレッジとはテコの作用になぞらえて小さい力で大きな効果をもたらすという意味で、不動産投資では「小さい資金で投資額に対して数倍の投資をして収益性を高める」ということになります。自己資金に借入金を加えることでより大きな利益を生み出す投資をすることができます。

 

「悪い借金」とは

ここでは毎月の返済が困難で生活に支障をきたす可能性のある借金を「悪い借金」と定義します。例えば、借金返済のために食費などを過度に切り詰めるような借入や、最悪の場合返済できないような借金のことをいいます。

 

さらに、その借金が収益を生み出すものではなく自分の欲求を満たすものの場合は、人生設計を奪ってしまうこともあります。このように自身の生活に支障を与え、将来的な幸せを奪いかねない借金は「悪い借金」だといえるでしょう。

 

不動産投資ローンは悪い借金か?

不動産投資ローンは適切な物件に投資した場合には賃料収入によって返済が賄われ、レバレッジを利かして将来的な資産を生み出すため、前述の定義からいくと「良い借金」に当てはまります。

 

例えば月々の家賃収入9万円、不動産投資ローンの返済額が10万円の場合は、月々1万円の返済で家賃9万円の物件を購入できることになります。月々少額の投資だけで物件を手元に残して将来への備えをすることや節税効果の恩恵を受けることができます。また、ここでは、返済以外の費用を考慮していないため、実際には修繕費用や突発的な費用の計算も必要となります。

 

このように不動産投資は収入が安定的に確保できる物件に投資をすれば、少ない手出しで将来に向けた大きな資産とすることができます。なお、以下のコラムで資産運用しないほうがいい人の特徴を紹介しています。

 

【関連記事】資産運用しないほうがいい理由とは?しないリスク・向いていない人を解説

 

不動産投資でローンを活用するメリット

不動産投資では投資用物件を購入するために利用する「不動産投資ローン」を活用することが一般的です。また、ローンを利用して不動産投資を行うメリットは、例えば以下のようなものがあります。

 

・少ない自己資金で物件を購入できる(レバレッジ効果がある)
・手持ちの資金を残せる
・生命保険代わりになる
・支払利子などを経費として計上できる

 

なお、不動産投資ローンと似たもので「住宅ローン」がありますが、自己居住用物件の購入のみを対象とするため、住宅ローンを活用して投資用物件を購入することはできません。

 

以下のコラムで不動産投資ローンについて詳しく解説しています。

 

【関連記事】不動産投資ローンとは|組む理由と注意点、融資で重視される項目を解説

次ページ不動産投資ローンを利用する際の注意点