不動産投資は首都圏や都市部の物件であれば、安価な物件でも一般的に1,000万円以上の投資が必要となり、現金一括でなくローンを利用する場合がほとんどです。その中で「借金=悪」というイメージから、ローンを組んで投資をすることに対して借金を抱えるという不安を感じる人もいるかもしれません。本コラムでは、不動産投資で借金をすることが悪いことかどうか、借金をして失敗した事例も含めて解説します。不動産投資を検討中の方はぜひ最後までご覧ください。

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不動産投資で借金地獄になってしまった5つの事例

(画像:PIXTA)
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不動産投資で借金地獄に陥ってしまうことは資産形成を目指す不動産投資の中で最も避けたいリスクの一つです。ここではそうした問題に直面しないため、不動産投資ローンで借金地獄になってしまった事例を紹介します。

 

前述のように不動産投資ローンを借りることが悪いことなのではなく、その借金の内容や投資先が上手くいかなかった場合に「悪い借金」になります。事例を参考にして投資計画の慎重な検討とリスク管理の徹底をしましょう。

 

・事例1:金利が高いローンを利用してしまった
・事例2:物件を相場より高い値段で購入してしまった
・事例3:その地域での状況が変わってしまった
・事例4:魅力のない物件を買ってしまった
・事例5:ローンを支払うための自己資金がなくなった

 

事例1:金利が高いローンを利用してしまった

月々の返済額を気にせずに金利が高いローンを利用してしまい、日々の支払いが圧迫されてしまったケースです。金利が高いローンは返済額の大部分が利息に充てられるため、元本の返済が進まずに長期間にわたり高額な返済が続くことになります。これにより家賃収入がローン返済をカバーしきれず、赤字が続く状況に陥ることがあります。

 

そのため、ローンを選ぶ際には各金融機関の金利条件を比較検討し事前にシミュレーションを行いましょう。また、ローンを借りた後にも条件を見直すことは重要です。もし、金利や返済期間などをより有利な条件のローンに変更したい場合は、「ローンの借り換え」を検討するのも一つの手です。しかし、借り換えには金融機関へ支払う事務手数料や抵当権の抹消及び設定に係る登記費用などがかかります。そのため、購入前に十分な試算を行い検討することが重要になります。

 

以下のコラムで、住宅・不動産投資ローンの借り換え手数料の種類や借り換えのメリット・デメリット等について解説しています。

 

【関連記事】住宅・不動産投資ローンの借り換え費用はいくら?相場や手順を紹介

 

事例2:物件を相場より高い値段で購入してしまった

周囲の物件に比べて高い値段で購入してしまったために、想定の家賃収入が得られず売却もしにくくなってしまったケースです。過大評価された価格で物件を購入してしまうと、購入時点で物件の価値がローン残高を下回り売却してもローンを完済できない状態に陥ってしまうことがあります。

 

そのため、周囲の物件やその地域の特性(単身者とファミリー層のどちらが多いかなど)を必ず不動産会社に確認し、築年やエリア、広さにおいて同レベルの物件と大きく乖離した値段で売られていないか比較しましょう。

 

また、不動産会社からの情報のみを頼りにするのではなく、不動産情報サイトを閲覧し購入検討している物件の周辺における販売事例や賃貸募集事例を参考にしてみたり、現地調査をして最寄り駅からの導線に気になる点や周辺に嫌悪施設がないか、また騒音などがないかを事前に確認したりすることも重要です。

 

以下のコラムで、不動産投資の落とし穴と良い物件の選び方について解説しています。

 

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事例3:その地域での状況が変わってしまった

購入時と数十年後では状況が変化していることもあります。例えば、近くにあった会社や大学などが移転したり、新しい駅や道路の建設計画が白紙になったりすると、その地域の魅力が減ってしまい、賃借人が見つからず空室が増加して家賃収入が減少することがあります。

 

地域の将来を見通すことは難しいですが、リスクを軽減するために地域の経済状況や開発計画の情報収集を行いましょう。また、投資する不動産がその地域の属性に強く依存する場合はこうしたリスクがあることを重々意識することも重要です。

 

事例4:魅力のない物件を買ってしまった

郊外の物件や中古物件は高利回りになる傾向がありますが、不動産投資を行ううえでは入居者が決まりにくい物件を取得してしまうリスクについても認識しておく必要があります。魅力のない物件とは立地が悪かったり、築年数が古くて設備が劣化したり十分な管理が行き届いていない物件を指します。こうした物件は賃借人が見つかりにくいだけでなく、売却時にも買い手がつきにくく価格が下がってしまうこともあります。

 

そのため、購入検討物件周辺の賃貸募集事例や人気の物件の賃料を事前に調べて、購入検討物件の現在賃料が周辺物件と大きく乖離していないかを確認しましょう。特に中古で一棟マンションやアパートなどの高額な収益物件を購入する場合は入居者やテナントの契約状況の一覧表であるレントロールから賃借人の属性も必ず調べましょう。

 

以下のコラムでレントロールのチェックポイントや確認すべき重要項目について解説しています。

 

【関連記事】レントロールとは?各項目の内容や確認すべきチェックポイントを解説

 

事例5:ローンを支払うための自己資金がなくなった

転職等で給与が減少し、当初支払うことができていたローンやその他の費用を補填するための自己資金がなくなったケースも少なくありません。例えば企業のリストラや個人的な健康問題、転職などによって本業の収入が減少し、補填していたローンの返済を支払えなくなる場合です。

 

そのため、死亡や高度障害時など万が一のことがあった場合にローン残債が完済される「団体信用生命保険(団信)」に加入したり、将来的な個人のキャリアも考えて投資をするかどうかを検討したりすることが重要です。

 

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