(※写真はイメージです/PIXTA)

令和のいま、家族のかたちは多様化している。なかには、いつまでも親離れ・子離れせず、お互い高齢になるまで生活を変えずに同居している例もある。だが、いつまでも子どもが親に養われていると、親がいなくなったとき、即座に生活が立ち行かなくなってしまう。実情を見ていく。

ひとり残った兄「オレはこれからどうしたらいいんだ!」

「父が脳梗塞を発症して要介護状態になり、看病にかかりきりになっていた母のほうが先に亡くなりました」

 

その後、父親は二度目の発作を起こして他界。鈴木さんの兄だけがひとり残った。

 

「〈オレはこれからどうしたらいいんだ!〉って、そんなこと知りませんよ…。〈生活保護でもなんでも受けたら?〉と返したのですが…」

 

しかし、生活保護を受けようにも兄は健康体だ。就労を促され、申請は認められない可能性が高い。なにより、扶養義務者の扶養は、生活保護法による保護を優先するため、妹である鈴木さんの援助を要請される可能性が高いといえる。

 

【扶養義務者】

民法第877条

①直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。

②家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。

③前項の規定による審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その審判を取り消すことができる。

 

「アパートの契約が切れたら、お前のところに行く」

 

兄のこの言葉に、鈴木さんは戦慄した。

 

「私がどれだけ頑張って、いまの生活を手に入れたと思っているのでしょうか。絶対にそんなことはさせません」

 

両親亡きあと、資産を持たない「無職のきょうだい」の存在は、ほかのきょうだいの生活を脅かしかねない。自分の生活を守りつつ、行政に相談するなど、何かしらの対応策が不可欠だといえる。

 

[参照]

総務省統計局『令和2年度国勢調査』

e-GOV『法令検索』

厚生労働省『生活保護制度』

 

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