ひとり残った兄「オレはこれからどうしたらいいんだ!」
「父が脳梗塞を発症して要介護状態になり、看病にかかりきりになっていた母のほうが先に亡くなりました」
その後、父親は二度目の発作を起こして他界。鈴木さんの兄だけがひとり残った。
「〈オレはこれからどうしたらいいんだ!〉って、そんなこと知りませんよ…。〈生活保護でもなんでも受けたら?〉と返したのですが…」
しかし、生活保護を受けようにも兄は健康体だ。就労を促され、申請は認められない可能性が高い。なにより、扶養義務者の扶養は、生活保護法による保護を優先するため、妹である鈴木さんの援助を要請される可能性が高いといえる。
【扶養義務者】
民法第877条
①直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。
②家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。
③前項の規定による審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その審判を取り消すことができる。
「アパートの契約が切れたら、お前のところに行く」
兄のこの言葉に、鈴木さんは戦慄した。
「私がどれだけ頑張って、いまの生活を手に入れたと思っているのでしょうか。絶対にそんなことはさせません」
両親亡きあと、資産を持たない「無職のきょうだい」の存在は、ほかのきょうだいの生活を脅かしかねない。自分の生活を守りつつ、行政に相談するなど、何かしらの対応策が不可欠だといえる。
[参照]
総務省統計局『令和2年度国勢調査』
e-GOV『法令検索』
厚生労働省『生活保護制度』
税務調査を録音することはできるか?
相続税の「税務調査」の実態と対処方法
カメハメハ倶楽部セミナー・イベント
【12/10開催】
相続税の「税務調査」の実態と対処方法
―税務調査を録音することはできるか?
【12/10開催】
不動産「売買」と何が決定的に違うのか?
相続・事業承継対策の新常識「不動産M&A」とは
【12/11開催】
家賃収入はどうなる?節目を迎える不動産投資
“金利上昇局面”におけるアパートローンに
ついて元メガバンカー×不動産鑑定士が徹底検討
【12/12開催】
<富裕層のファミリーガバナンス>
相続対策としての財産管理と遺言書作成
【12/17開催】
中国経済×米中対立×台湾有事は何処へ
―「投資先としての中国」を改めて考える
2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】