STEP3: おこづかい帳でおこづかい作戦のフォローを
ここまで具体的な管理方法をお伝えしてきましたが、この仕組みを意識していけるように記録するのがおこづかい帳です。大人も書くことで理解できるのと同じで、子どもは“できた”を形にすることで一段とやる気アップします。
秘訣は記入することを貯めずに、月初に今月のNEEDとWANTを設定、増減はそのたびに記入、月末に良い買い物だったか改善できる使い方だったかを振り返り、自分の買い物のクセを見つけます。これは親も一緒に自分の買い物行動を振り返ると、家計改善になるかもしれませんよ!
おこづかい帳の上で、1年後が購入目標となる大きな買い物を設定し、その逆算で先取り貯金の毎月の金額を決めるサポートもぜひしてあげてください。「ちょっと高いけどほしいものは何? 貯金してたら自分で買えるよ!」と自分のお金で買うワクワク感を膨らませてあげると、お金へのモチベーションも高まりそうですね。
親の思う無駄遣いは子どもにとっては学びの宝の山
初めは使い過ぎて我慢することも多いと思うので、親が「どうしておこづかいが足りなくなっちゃったのかな?」と、子どもに考えるヒントを手渡す声掛けをしてあげましょう。
このとき、失敗を子ども自身で気づかせることがポイントです。大人が思う無駄遣いを見つけて、「それならおこづかいあげない!」と責めてしまうと、子どもはお金を見るのもイヤになり、お金は豊かになる道具ということに気づく機会をうばってしまいます。
親は『おこづかいは未来のために練習する、自由に使っていいお金』と捉え、失敗の練習と見守る体制でいましょう。
お金は使ってこそ豊かになれるツール
お祭りも多い夏休み。ぜひ、たくさんの屋台を前に、決まった金額の中で最大限自分が満足する使い方を事前に考え、お金をやりくりする体験をさせてあげてください。
我が家の小学生の娘は、くじがなかなか当たらず、つい予定を超えてくじを引き、欲しくもないおまけを手に、次のおこづかい日まで懐寂しい我慢の日々を過ごすという経験から多くのことを学んだようです。商品がすべてではなく、ドキドキする気持ちを味わうようなサービスという価値もあるから自分の心地いいお金の使い方を見つけようという話をしました。
子どもたちが大人になるまでに“自分サイズの自分らしい”の豊かな使い方を身につけ、自信をもってその背中を応援できる親でありたいものですね。
北村 由紀
ファイナンシャルプランナー