直感的な魅力に身を任せるのもひとつの選択肢
ここまでで、「こんな企業は避けたほうが無難」、「こんな企業は積極的に検討するべき」ということを示してきたつもりだが、決して、「なんとなくいいと思った」、「第一印象で合わないと感じた」という気持ちも無視するべきではない。
いい、悪いを主張してきたのに最終的には感覚に頼るのか……という考えもうなずけるが、この「直感」には意外と馬鹿にできないものがある。なぜなら、なんとなく適当に決断したものの、想像していたよりもいい結果になったとか、後から振り返ってみたらあの決断は間違いではなかった、というような経験は誰にでもあるからだ。
中でも、一番直感による判断をしやすいのは、志望している企業や選考中の企業の色を感じたときのように思う。というのも、企業によって組織風土や社内の雰囲気、働いている人の特徴などは違う。それはいわば"企業の色”があるからだ。企業の色をダイレクトに感じられる瞬間は、当該の企業において、現在進行形で働いている人と会話する時間にある。
たとえ条件がよくとも、自分が静かで落ち着いた人間なのに、体育会系のノリが強く、ワイワイした人が多い会社に通い続けるのはきついものがある。それだけに、社内にいる人から企業の色を見抜くという眼力を光らせるべきだ。
大小はあれど、学生もまたこれまでの人生で、さまざまな人と出会い、さまざまなコミュニティに参加してきたはずだ。そこでは自分にとって合う人、合わない人、合うグループ、合わないグループがあったことだろう。そしてそれは誰一人として同じものはないし、企業側がどんなにミスマッチを避けたいと願って学生の性格を見ようとしても、自分以上にこの感覚が分かる人間はいないはずだ。
だからこそ、根拠がなくとも"合いそう””合わなさそう”という感情を持つことを大切にしてほしい。特に、満たすべき企業選びのポイントがクリアできていて、複数社合格したがどこにいこうかと悩んでいる場合には、第六感に従ってみるのもありだろう。
トテ ジェニファー麻綾