昨今、高齢者の住まいの選択肢として人気が高まる「老人ホーム」。高齢の親が1人暮らしをしている場合、子どもにとってはホームに入居してくれると安心という一面も。しかし「とんでもない事態」に巻き込まれるケースも多いようです。みていきましょう。
年金手取り月15万円の80歳母「老人ホーム費用」足りず、55歳ひとり娘が〈毎月5万円〉を肩代わりしていたが…〈今年4月の請求額〉に思わず悲鳴をあげたワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

親の老人ホーム費用…4人に1人は「子も負担」

――毎月、5万円ほど負担しています

 

80歳になる母が老人ホームに入所しているという55歳の女性。母の老人ホーム歴は2年になるそうです。

 

母の年金は、自身の年金月8万円と遺族年金が8万円。手取りにすると月15万円ほどになります。要介護1となり、自宅での1人暮らしに不安を感じ、かといって仕事のある子どもたちがサポートするのも難しい……老人ホームへの入居が、もっとも妥当でした。

 

当初、母の年金だけで月額費用を賄える、比較的月額費用を賄える特養への入所を希望しましたが、空きがなく断念。有料老人ホームへの入居を決めたといいます。

 

ただ費用は母の年金だけでは足りず、ひとり娘である女性が毎月5万円ほど負担することになったといいます。

 

株式会社Speee/「ケアスル 介護」が行った調査によると、老人ホーム費用を主に払うのは「入居者本人」が64.0%。3割強は、入居者以外の人が肩代わりをしています。そのうち「入居者の子ども」が全体の24.8%と圧倒的です。

 

老人ホームへの入所に際しては、初期費用となる入居一時金と、毎月かかる月額費用を考える必要があります。入居一時金はゼロ~数千万円、富裕層向けホームになると億単位になるほどさまざま。入居一時金=家賃の前払いという特性上、入居一時金がないホームのほうがお得とはいえず、その分、月額費用が抑えられているケースも。

 

月額費用には、家賃のほか、管理費や水道光熱費、介護費などが含まれていますが、何が含まれているかはホームによってさまざま。何が費用に含まれているのか、何が含まれていないのか、確認しておく必要があります。

 

またおむつなどの日常品や、理髪代などは、たいてい月額費用には含まれておらず、別途請求されます。月額費用とは別に、毎月2~3万円程度かかるのが平均的です