昨今、高齢者の住まいの選択肢として人気が高まる「老人ホーム」。高齢の親が1人暮らしをしている場合、子どもにとってはホームに入居してくれると安心という一面も。しかし「とんでもない事態」に巻き込まれるケースも多いようです。みていきましょう。
年金手取り月15万円の80歳母「老人ホーム費用」足りず、55歳ひとり娘が〈毎月5万円〉を肩代わりしていたが…〈今年4月の請求額〉に思わず悲鳴をあげたワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

老人ホーム費用を肩代わりする「ひとり娘」の不安が、さらに大きくなる「まさかの事態」

実母にかかる費用とはいえ、毎月5万円の出費は結構な負担。女性はそれを2年近く続けています。

 

――いまは働いているからいいけど、働けなくなったときはどうしたらいいんでしょうね

 

と不安を吐露。このように親の介護費用を負担する子は、自身の老後も間近に迫り、焦りを覚えるケースも多いようです。なかには親の介護はまっとうしたものの、自身の介護費用も足りず、さらに自分の子どもに……そんな負の連鎖が生じているケースも。

 

また老人ホーム費用については、別の問題も。

 

今年の4月、老人ホームからの請求額に、思わず悲鳴をあげてしまった女性。その理由が、月額費用の値上げ。物価高が続くなか、どうしても必要なものとは分かりつつも、「管理費が月5,000円、食費が月1万円増、水道光熱費が月1万円……すべて足すと月5万円もの値上げに。さらに別途かかる費用についても物価高の影響で値上げが続いていて、前年から比べると8万円のプラスに。この事実に「えっーうそ!」と大声をあげてしまったというのです。

 

厳しさ増す介護の現場。むしろ費用を値上げして対応できるならましかもしれません。東京商工リサーチによると、2024年上半期に倒産した介護事業者は全国で81件にのぼり、上半期では過去最高を記録。その多くが売上不振によるものであり、その主な理由が人材不足と光熱費などの物価高騰の影響だといいます。

 

月10万円を超える費用を負担することになった女性。この物価高が続けば、再度、値上げということになるかもしれません。そうなるといよいよ自身の老後も怪しくなる……月額費用の安い老人ホームへの転居も考えないといけないと考えているといいます。

 

[参照]

株式会社Speee「費用は誰が支払う?「ケアスル 介護」にて介護施設の費用に関するアンケートを実施」