年収1,000万円の方にとって不動産投資はおすすめできる投資方法の1つです。しかし、なぜ不動産投資がおすすめなのか、実際に始めるとしたらどんな物件が買えるのか、理解していない方も多いと思います。そこで本コラムでは、年収1,000万円の方に不動産投資がおすすめの理由や購入できる物件の種類、不動産投資を始める手順などについて解説します。年収1,000万円の方が不動産投資を始める際に注意すべき点も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

年収1,000万円の方の融資限度額と購入できる物件を紹介

 (画像:PIXTA)

融資限度額は、一般的には年収の7〜10倍と言われており、年収1,000万円であれば7,000万円から1億円が目安です。この範囲内で購入可能な物件の種類は、中古一棟マンションや新築・中古の区分マンション、さらには新築・中古のアパートなどがあります。

 

しかし、融資額は物件の担保評価額や収益性、金融機関の貸出態度、自己資金の有無などによって異なります。さらに、年収1,000万円以上であっても収入の構成や勤め先企業の評価によって、実際の融資額は変動する可能性があります。

 

どれくらい借入するかについては、投資戦略やリスク管理の観点からも重要な要素であるため、不動産会社や金融機関と相談し、具体的な物件や資金計画について確認することが必要です。

年収1,000万円の方には一棟アパートがおすすめ

年収が1,000万円以上の方におすすめの不動産投資物件は、一棟アパートです。一棟アパートには新築と中古のものがあり、投資目的によって選択するべき物件が異なります。

 

まず、家賃収入を目的とする場合には新築一棟アパートが適しています。新築物件は入居者からの需要が高いため、空室率を抑えて安定した家賃収入が期待できるからです。また、購入してから10〜15年は大規模な修繕が発生しにくく、突発的な費用がかかる可能性が低いです。

 

一方で、節税を重視する方には中古一棟アパートの投資が適しています。中古物件は比較的低価格で取得でき、減価償却の計上により税金負担を軽減できるため、節税効果が高いです。特に年収1,000万円の方は、累進課税制度により高い税負担がかかっているため、節税を目的とする場合は中古一棟アパートへの投資を検討しましょう。

 

ただし、どちらの場合も注意点があります。新築一棟アパートは初期投資額が大きく、リスクもそれに比例して高くなります。一方で、中古一棟アパートは修繕や空室リスクなどが懸念されます。このようなリスクを最小限に抑えるためには、慎重な物件選定と適切な資金計画が必要です。

年収1,000万円の方が不動産投資を始める手順を紹介

ここでは、具体的にどのようなステップで不動産投資を始めたら良いのか、疑問に思っている方に向けて、不動産投資を始める以下の手順を紹介します。

 

・条件を整理した上で物件を探す

・不動産会社に相談する

・ローンを契約する

・火災保険や管理会社との契約をする

・不動産投資開始

 

条件を整理した上で物件を探す

最初に自分の投資条件を整理しましょう。自己資金額や返済期間、既存ローンの状況、購入を検討している不動産のエリアやタイプなどを具体的に決めます。これにより、実際に購入可能な物件の価格帯や条件を把握できます。

 

また、年収1,000万円の方は一棟アパートがおすすめであると解説しましたが、あくまで一例です。それぞれの特性を把握した上で、自身の投資目的やリスク許容度に合った適切な物件を選択しましょう。不動産投資には、新築と中古、区分所有と一棟所有の4つの大きなカテゴリがあります。実際に物件を探すときには、不動産ポータルサイトや広告などを活用しましょう。

 

新築物件

・新築なので入居者が集まりやすい

・家賃を高めに設定できる

・設備や構造のトラブルが少ない

・購入時の費用が高い傾向にある

 

中古物件

・築年数によって価格や状態が異なる

・新築より価格が安く、利回りが高い傾向にある

・修繕やリフォーム費用がかかる場合があるため注意が必要

 

区分所有

・マンションの一部を所有する形態

・空室リスクが少なく単価も低いため、初めての不動産投資に適している

・同じ条件の部屋を他の人が貸し出しているため、家賃設定の自由度が低い

・共用部分の問題が影響することもある

 

一棟所有

・アパートやマンション全体を所有する形態

・収益性が高く、利回りが比較的高い

・運営や管理の責任が大きい

 

不動産会社に相談する

興味のある物件を見つけることができたら、不動産会社に問い合わせし、アドバイスや提案を受けます。不動産会社は市場動向や物件の特性に詳しく、投資目的や収益性、リスクについて専門知識を持っています。

 

会社によって得意分野や提供するサービスが異なるため、複数の会社に相談することでより客観的な意見を得ることができます。また、物件に関する要件や希望条件、予算などを明確に伝えることで、自分のニーズに合った物件を見つけることができます。

 

ローンを契約する

購入する物件を決定したら、不動産会社からの紹介や自分自身での問い合わせで金融機関を探し、適切な条件のローンを契約しましょう。自分の予算や返済能力、希望する返済期間などを考慮し、複数の金融機関に相談して条件を比較します。

 

金利や返済スケジュール、手数料などの詳細を確認し、適切なローン商品を選択します。契約時には必要な書類を提出し、審査を受けて承認されれば契約完了となります。契約後はきちんと返済計画を立て、ローンの返済を着実に行っていきます。

 

火災保険や管理会社との契約をする

ローン審査が通過した後は、火災保険や管理会社との契約も行います。

まず火災保険では、物件のリスクに適した保障内容を確認し、適切な火災保険プランを選びましょう。特に保険料や保障範囲、免責事項などをしっかりと把握します。

また、管理会社との契約では、適切な管理サービスや費用透明性、信頼性を重視して選択します。管理会社の実績や評判を確認し、物件の運営や維持管理に安心感を持てるパートナーを見つけましょう。

 

不動産投資開始

物件の引き渡しを経て、不動産投資がスタートします。不動産投資を開始したら、専門家のサポートを活用することが重要です。税務や法務などの専門家のアドバイスを受けながら、投資の効率化やリスク管理を図ります。

 

また、定期的な収支確認や物件の状態把握も欠かせません。専門家のサポートや継続的な改善を活かし、安定した不動産収益を目指しましょう。

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