プロパーローンは金融機関が保証会社を付けずに独自の基準で提供するローンであり、一般的な不動産投資ローンとは異なる特徴を持っています。そこで本コラムでは、プロパーローンとはなにか、一般的な不動産投資ローンとの違いやプロパーローンのメリット・デメリットを解説します。不動産投資を検討中の方はぜひ最後までご覧ください。

不動産投資について
もっと知りたい方はコチラ>>

プロパーローンのメリット3選

(画像:PIXTA)
(画像:PIXTA)

 

ここまでプロパーローンと一般的な不動産投資ローンの違いを紹介しました。ここでは、プロパーローンを利用するメリットを解説します。

 

  • 保証料不要でコストを抑えられる
  • 金利を抑えられる場合がある
  • 融資限度額がない

 

保証料不要でコストを抑えられる

プロパーローンの一番のメリットは保証料不要でコストを抑えられる点です。一般的な不動産投資ローンを受ける際には信用保証協会や保証会社に対する保証料が発生します。保証料は借入金額に応じて保証料の負担も大きくなるのが一般的です。そのため、融資を受けるための追加コストである保証料を削減できることは経済的に大きなメリットとなります。

 

金利を抑えられる場合がある

プロパーローンは、不動産投資ローンよりも低金利で融資を受けられることがあります。プロパーローンは金融機関が独自の基準で審査・提供するため、個人の信用状況や担保の評価などに基づいて柔軟に条件が設定されます。そのため、収益性の高い物件や事業者の信用度が高い場合は、金融機関はリスクが低いと判断し、金利を低く設定することがあります。

 

さらに、プロパーローンは個別の交渉が可能であり、特に金融機関の関係が良好であれば優遇されるケースもあります。例えば、既存の取引実績があり、金融機関との信頼関係が強い場合は不動産投資ローンよりも低金利での借り入れができる可能性があります。

 

融資限度額がない

プロパーローンのメリットとして融資限度額がない点も挙げられます。プロパーローンは金融機関独自の基準で提供されるため、パッケージ化された一般的な不動産投資ローン商品と異なり、特定の上限額が設定されていない場合があるためです。融資限度額がないとはいえ、実際の融資額は金融機関の判断に依存するためにしっかりと不動産の価値を伝え、金融機関と信用を築くことも重要です。

プロパーローンのデメリット3選

プロパーローンを利用するメリットを解説しました。次に、プロパーローンを利用する場合のデメリットを解説します。

 

  • 審査基準が厳しい傾向にある
  • 返済期間が短くなりやすい
  • 連帯保証人が必要なケースが多い

 

審査基準が厳しい傾向にある

プロパーローンは一般的に審査が厳しくなる傾向があります。なぜなら、プロパーローンは金融機関が独自の基準で審査して自己責任でリスクを管理するため、貸し倒れのリスクを最小限に抑えるために詳細な評価をするためです。

 

長期の融資で実績があることやその他ローンの返済状況が良好であること、不動産などの確実な担保が確保できることなど金融機関がリスクを取っても融資したいと思わせる材料が必要です。そのため、プロパーローンを利用する際は不動産の運用予測の資料など事前に十分な準備を行い、信用力を高めることが重要です。

返済期間が短くなりやすい

プロパーローンのデメリットの一つとして返済期間が短くなりやすい点も挙げられます。プロパーローンは金融機関がリスク管理を厳格に行うために返済期間が一般的な不動産投資ローンよりも短く設定されることがあります。

 

返済期間が短くなると毎月の返済額が大きくなり、資金繰りが厳しくなる可能性があります。また、短期返済のプレッシャーから転職などの大きな決断がしにくくなることもあるでしょう。そのため、投資用物件の運用計画と返済計画を慎重に立て、事前に金融機関としっかり相談し、返済期間や条件について十分に検討することが重要です。

連帯保証人が必要なケースが多い

プロパーローンでは連帯保証人が必要なケースがあることも注意が必要です。返済能力に不安がある場合や団体信用生命保険に加入しないまたは年齢などの条件で加入できなかった場合に、連帯保証人を立てる必要があります。

 

連帯保証人は返済不能に陥った際に連帯保証人が代わりに債務を返済しなければなりません。そのため、連帯保証人を探す手間やそもそも連帯保証人を見つけることが難しい場合があります。

次ページプロパーローンを利用するケース