日本の若者…「40歳の自分は幸せで健康」でも、「国の将来」は絶望視
さらに大人が注目したい結果が、将来像。「あなたが40歳くらいになったとき、どのようになっていると思いますか。」の問いに対して、「そう思う」(「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」の合計)と答えた割合で最も多かったのが「親(保護者)を大切にしている」で73.2%。「幸せになっている」68.2%、「健康である」68.0%と続きました。
意外と幸せな未来を想像しているかと思いきや、国の将来に対してはシビアな見方をしています。
「明るい」(「明るい」「どちらかといえば明るい」の合計)は23.1%で、前回調査から8ポイントほどダウン。また「ドイツ」61.8%、「スウェーデン」61.1%、「フランス」55.3%、「アメリカ」49.2%と比較しても、突出して日本の若者は国の将来に対して絶望視していることが分かります。
この結果に限らず、日本の若者が漠然と、それでいて底知れぬ絶望感を抱いているのは、その原因のひとつは、冒頭「悩みや心配ごと」でもあげられた「お金のこと」であるのは明らか。
厚生労働省の調査によると、サラリーマン(平均年齢43.6歳)の平均給与は月収で36.3万円、年収で596.9万円。失われた30年といわれている間、給与はいっこうに上がらず。昨今は給与アップという話も出ていますが、いまのところ、物価高を上回ることができず、実質給与減が続いています。
老後の生活のベースとなる年金は、厚生年金受給者の平均額が併給の国民年金含め月14.5万円ほど。65歳以上男性に限ると、月17万円ほどです。ただ、2019年に行われた財政検証では2040年代に2割目減りは確実。また先日発表となった出生率から、想定よりも10年近くも早く少子化が進んでいることが明らかになりました。現役世代の減少は、それだけ高齢者を支える年金財政が厳しくなることを意味します。今年は、5年に1度の財政検証の年ですが、将来の年金に関してはさらに厳しい予測になるだろうといわれています。
このような状況のなか、日本の若者が国の未来に絶望するのも当然のことかもしれません。唯一の救いは、昨今、早くから自助努力だ、資産形成だといわれているため、自身の将来は自身でどうにかしようという意識の若者が増えていること。
――最近の若者は、なんとも頼もしい
大人たちはそう思いながらも、絶望感を抱かせているのは大人たちの責任という一面も。「国の将来は明るい!」と思える若者が増えるよう、大人たちも踏ん張り時です。
[参照]