親と暮らす「60歳以上の未婚者」…全国で36万人
2020年に行われた国勢調査によると、親と世帯を同じくしている未婚の子は全国に3,283万人。そのうち、20歳以上に限定すると1,285万人でした。20代前半では360万人の独身の子が親と同居していますが、その後は年齢と共に減少。50代になると100万人を割り、60歳以上で36万人になります。
【年齢別「親と世帯を同じにしている子の数」】
20~24歳:361.7万人(358.3万人)
25~29歳:220.9万人(218.7万人)
30~34歳:154.5万人(153.4万人)
35~39歳:128.0万人(127.4万人)
40~44歳:121.9万人(121.6万人)
45~49歳:125.1万人(125.0万人)
50~54歳:86.9万人(86.9万人)
55~59歳:50.8万人(50.8万人)
60歳以上:36.2万人(36.2万人)
※数値左より、親と世帯を同じくする子の数(別居含む)(親と世帯を同じくし、親と同居している独身の子の数)
男女別にみていくと、50代で親と同居する独身男性は85万人、独身女性は52万人。60代独身男性が23万人、独身女性は13万人。このなかには、結婚→離婚を経て実家に戻ったという人もいれば、婚姻歴がなく一度も実家を出たことがないという人も含まれます。事情はさまざまですが、問題視されているひとつが、親の年金に依存する未婚者。なかでも何かしらの理由で働くことができない事情があるわけでもなく、働けるにも関わらず働かず経済的に依存しているケース。58歳女性の場合、3つ上の兄がまさにこのようなケースだとか。
現在、60歳になる兄は実家で86歳になる母と2人暮らし。兄は高校卒業後、就職もままならず、アルバイトを転々。30代後半にさしかかる頃に父が亡くなったのを機に一念発起し就職したものの、同僚はみなだいぶ年下で職場に馴染めず、すぐにドロップアウト。再びアルバイト生活に戻ったといいます。
フリーターでも働けるだけ働けば十分な収入になりますが、女性の兄が働くのは必要最低限。母親の年金は月17万円程度。賃貸で暮らしていますが、高齢の親とその子が暮らしていくには十分。お小遣い程度の収入があれば十分というのが女性の兄の考え方なのだとか。
現在、女性の兄は時給1,200円の近所のコンビニで、週3日程度のアルバイト。月に7万~8万円くらいの収入はあるようですが、生活費はすべて親の年金。アルバイト代を少しでも家に入れることはないといいます。