大卒新卒者よりも手取り額が少ない…入社2年目の嘆き
今年の春は、賃上げのニュースで盛り上がり、さらに人材獲得競争の激化で「初任給もアップします!」とさまざまな企業が宣言。嬉しい悲鳴をあげた大卒新入社員も多かったようです。
一般財団法人労務行政研究所が東証プライム上場企業152社のデータをまとめた『2024年度 新入社員の初任給調査』によると、初任給を全学歴で引き上げたのは86.8%。一部引上げが3.9%、全学歴据え置きが9.2%でした。
初任給の水準は、「大学院卒修士」で25万9,228円(上昇率5.9%)、「大学卒」で23万9,078円(上昇率5.4%)、「短大卒」で20万5,887円(上昇率6.2%)、「高校卒」で19万3,427円(上昇率6.5%)でした。
大学卒で初任給の引上げが行われた企業について詳しくみていくと、平均引上げ額は1万3,746円。最高は3万8,200円で、最低で3,000円でした。引上げ額の分布では、最多が「1万~1万2,000円未満」と「1万4,000円~1万6,000円未満」で、共に14.4%。「2万~2万2,000円未満」は9.3%、「2万2,000~2万4,000円未満」が4.1%、「3万円以上」が5.2%でした。
平均して24万円の初任給を手にする、いまどきの大卒新入社員。手取りにすると20万円ほど。額面ではなく、いよいよ手取りで初任給は20万円の大台を突破しました。
【2024年大卒新入社員の初任給】
額面:240,000円
手取り:20万0,308円
(内訳)
所得税:4,291円
健康保険:1万2,000円
厚生年金:21,960円
雇用保険:1,440円
(住民税:9,425円/社会人2年目以降天引き)
そんな大卒新卒者に対して冷めた見方をするのが、入社2年目だという大卒サラリーマン。大学進学を機に上京し、ひとり暮らし。そのまま都内に本社のある大企業に就職をしました。「初任給は22万5,000円ほどだった」といい、今年、昇給した結果、今年の新卒者と同じくらいの給与になったとか。
――6月から住民税が引かれるようになるから、手取りは後輩より下