金持ちは大変だね……他人事と思っていた「相続トラブル」。しかし、裁判沙汰にまで発展するのは「遺産総額1,000万円以下」が最も多く、実は一般人のほうが相続トラブルに巻き込まれやすいというのが実情です。今回は代襲相続に絡むトラブルについてみていきます。
「つべこべ言わずに判子を押して!」「はぁ!? これは事件です、警察を呼びますよ」…伯父・伯母から亡き祖母の通帳を見せられた孫、激怒 (※写真はイメージです/PIXTA)

伯父と伯母への憤りのワケ

――本当に意地汚い大人たちだ!

 

怒りの投稿をした20代男性。怒りの矛先は、伯父(父の兄)や伯母(父の姉)に向けられていました。さかのぼること、5年前。男性が高校生だったころ、父が急逝。大学受験を控えていたころで、本当に進学を目指していいのか、それとも、進学を諦めたほうがいいのか、父を亡くして混乱するなか、考え込んでいたといいます。

 

そんなとき、「大丈夫。自分の行きたい道を進みなさい」と背中を押してくれたのは、母、そして父方の祖母でした(父方の祖父はすでに他界)。母は自身の夫を亡くし、祖母は自身の息子を亡くし、大きなショックを受けているはずなのに、それでも自分を応援してくれている……ふたりの後押しもあり、無事、第一志望の大学に合格することができたといいます。

 

振り返ると、親戚のなかでも、父方の祖母は、なにかと男性を可愛がってくれて、男性もそんな祖母が大好きだったといいます。一方、親戚のなかでも伯父と伯母は、昔から好きになれなかったといいます。

 

――2人ともケチで、しかも、本当に失礼な人たち

 

伯父や伯母の家で進学や結婚などのお祝い事があり、両親がお祝いを持っていたときのこと。「本当につまらないもんだな」などと言いながら受け取る、しかも絶対お返しはなし(と、両親が言っていた)。男性の家に遊びに来ては、「これもらっていい?」などと言ってお菓子を持って帰る。3,000円とか、5,000円とか、お金の無心をすること多数、しかも絶対に返さない(と両親が言っていた)……エピソードは数え知れず。

 

そして1年ほど前のこと、男性は祖母から打ち明けられたことがあったといいます。

 

・自分はガンを患っていて、余命宣告されている

・自分に万が一のことがあったら、孫である男性にも相続権が発生する

・通帳に「3,000万円」ほどの貯蓄がある。伯父・伯母と等分して、お母さんに楽をさせてあげなさい

・このことはお母さん(男性の母)にも伝えておく

 

そんなことを男性に伝えたのち、祖母は先日、亡くなったといいます。葬儀からしばらく経ち、伯父と伯母が「祖母の相続の件で」と男性を尋ねてきました。そこで「祖母の遺産はこれで全部」と見えられた通帳をみて、男性は衝撃を覚えます。

 

――あれっ、少ない

 

そこに書かれていたのは1,000万円弱の貯金。祖母が3,000万円ある通帳を見せてくれたこと、それを3人で等分するよう言われたことを伝えると「祖母が2,000万円を使ってしまったのでは」と伯父と伯母。その後、入院をした祖母が、果たして2,000万円も使うだろうか……。疑問を口にしたところ、伯母が逆ギレ気味に男性に迫ります。

 

――つべこべ言わずにココに判子を押して!

 

そう言って出してきたのは「遺産分割協議書」。こんな態度の伯父、伯母に、素直に従えるはずがありません。

 

――2,000万円もの大金が消えているんですよ。そんなに曖昧な状態で判子なんて押せません

――本当に2,000万円が無くなっているなら、これは事件です。警察を呼びます

 

男性も怒りで思わず早口となり、伯父・伯母にまくしたてます。そして警察というワードを聞いたからでしょうか、すっかりトーンダウンした伯父と伯母。それでも、何とか下手にでて男性に判子を押させようとしましたが、男性は断固拒否。銀行に連絡し、取引明細表を発行してもらおうと動いているといいます。