60歳定年…「退職を決意するサラリーマン」は10人に1人
2013年、65歳までの雇用機会を確保するための法改正が行われました。2025年4月以降は、「①65歳までの定年の引き上げ」「②定年制の廃止」「③65歳までの継続雇用制度の導入」いずれかの措置を講じることが企業の義務となります。さらに2021年には、70歳までの就業機会を確保することが努力義務となりました。
厚生労働省が令和4年に行った調査では、定年制を定めている企業は94.4%で、60歳定年としている企業は全体の6割強。サラリーマンの多くが、60歳をひとつの区切りとしています。
60歳定年としている企業の多くが、本人の意向に基づき再雇用。正社員から嘱託社員や契約社員と雇用形態を変えて、同じ会社で活躍をしてもらっています。
定年を機に会社を去るか、それとも再雇用を希望するか……企業によって対応は異なりますが、通常、定年半年前までに本人に意思確認、そのうえで、定年3ヵ月前までに確認書の提出を求めるのが一般的です。
厚生労働省『令和5年高年齢者雇用状況等報告』によると、60歳定年到達者のうち、定年退職者(継続雇用を希望しない人)は12.5%。圧倒的多数が継続雇用を選択しています。
60歳定年を機に会社を選択するサラリーマン。選択の理由はさまざまです。
――40年近くも働きづめだったから、一度リフレッシュしたい(再就職の意志あり)
――仕事ばかりだったから家族との時間を持ちたい
なかでも、
――もう働き続けるモチベーションがない
――ここには自分の居場所はない
そう感じて退職を決意するサラリーマンも。特に定年を機に役職から外れるなど、変化が大きい人ほど、定年のインパクトは大きく、モチベーションを保つのが難しかったり、疎外感を覚えるなどして「定年退職」→「現役引退」を選ぶケースも多いようです。