物価上昇!老後資金は「4,000万円不足」する時代へ
――老後2,000万円? いやいや、4,000万円必要になりますよ
そんなニュースが話題を呼んでいます。これは5年ほど前に話題になった「老後資金2,000万円不足問題」を例に、仮に3.5%の物価上昇が続いたらどうなるかをシミュレーションしたもの。結果、10年後には老後資金の目標は2,821万円となり、さらに10年後には4,000万円になりますよ、というものでした。
そもそも「老後資金が2,000万円不足しますよ」の元凶となったのは、総務省から公表されている家計調査。そこでモデルとなった「無職の65歳以上の高齢者夫婦」における1ヵ月の消費支出は23万3,256円。それに対して、税金や社会保険料などを除いた可処分所得は18万0,717円で、毎月5万2,539円が不足。老後が30年続くとなると、夫婦で1,821万4,040円≒2,000万円が必要になるという計算です。
これが2017年の家計調査によるもの。ほかの年も同条件の不足額をみていくと、2017年より前は毎月の赤字額は5万円台だったのが、2017年を境に減少。またコロナ禍には給付金もあったり、外出自粛により消費額が減少したりなどの要因から、不足額5万円を大きく下回ることに。
【高齢者世帯の1ヵ月の黒字額】
2014年:▲5万6,828円
2015年:▲5万7,559円
2016年:▲5万1,400円
2017年:▲5万2,539円
2018年:▲3万9,242円
2019年:▲3万0,314円
2020年:394円
2021年:▲1万8,730円
2022年:▲2万1,788円
2023年:▲3万8,120円
2021年基準であれば、「老後資金674万円≒700万円不足問題」になりますし、2023年基準であれば、「老後資金1,372万円≒1,500不足問題」になるでしょうか。どちらにせよ、大切なのは収入が限られる老後は収入と支出のバランスを取れる家計をいかに構築するか、ということ。そのためには、自身の家計をしっかりと把握することが第一歩です。