どんな夫婦でもいつかは訪れるパートナーとの別れ。そのとき、残された家族を支えるのが遺族年金です。しかし、誰もが思っていたような金額を手にできるわけではないようです。なかには大いなる勘違いをしている場合も。
年金月18万円・68歳夫を亡くした65歳妻…遺族年金「想定の30分の1」の衝撃。「何かの間違いでは?」の訴えに、年金事務所は冷静に解説

妻は「夫が先に亡くなること」を考えておいたほうがいい

永遠を誓い合った夫婦であっても、いずれは別れのときがきます。厚生労働省『令和5年 人口動態統計(確定数)の概況』によると、65歳以上の死亡数は144万5,868人。そのうち配偶者のいる男性が43万8,705人に対し、女性は14万3,611人。また配偶者と死別している65歳以上の死亡男性は16万0,231人に対し、女性は49万5,677人。平均年齢や年齢差から考えて、妻のほうが夫を亡くした場合のことを考えておかないといけないといえるでしょう。

 

高齢の有配偶者の死亡理由についてみていくと、65~79歳男性では、トップが「悪性新生物(腫瘍)」で6万7,281人で全体の44.4%。「心疾患(高血圧を除く)」が1万6,972人で全体の11.6%、「脳血管疾患」9,041人が全体の6.0%と続きます。女性の場合も「悪性新生物(腫瘍)」「心疾患(高血圧を除く)」「脳血管疾患」と、その順位は変わりません。

 

一方、80歳以上男性は、トップは「悪性新生物(腫瘍)」6万9,589人ですが、全体に占める割合は24.2%と、他の死因割合が高くなります。以下の順位をみていくと、「心疾患(高血圧性を除く)」「老衰」「肺炎」と続き、「脳血管疾患」は全体の5番目。また女性の場合も同様の傾向がみられ、「老衰」や「肺炎」での死亡が増えます。

 

加藤洋子さん(仮名・65歳)。先日、3つ上の夫を亡くしました。高血圧気味であること以外、特に大きな病気をしたこともなくアクティブな性格。だからこそ、突然、別れが訪れるとは思ってもみなかったといいます。死因は脳梗塞。緊急搬送され、何回か三途の川を渡りそうなところを踏みとどまったものの、入院から10日ほどで亡くなったといいます。