よーい、ドンで始まるサラリーマン人生。横一線だった同期の仲間も、時の流れのなかで徐々に差がつき、なかにはエリート街道まっしぐらのエリートも。ただ現役時代の栄光は、その後の人生には直接は影響を与えないようです。みていきましょう。
42歳で〈月収64万円〉…10人に1人の存在の「エリートサラリーマン」が65歳で受け取る〈衝撃の年金額〉に絶句「う、嘘だろ?」

現役時代、圧倒的な給与差を誇っていたエリートサラリーマンだったが…

そんな現役時代、常にエリートと一目置かれていたサラリーマン。ただ年金世代に突入したら、少々状況は変わります。

 

まず“ザ・平均”の大卒サラリーマン。大学卒業後、常に“ザ・平均”だった大卒サラリーマン。60歳の定年で現役を引退したとしたら、標準報酬月額は56万円で、65歳から受け取れる厚生年金は11万3,500円ほど。国民年金が満額支給(令和6年度、月額6万8,000円)だとすれば、月18万1,500円ほどもらえる計算です。

 

では常にトップを走り切ったエリートサラリーマンはどうでしょう。標準月額は65万円で、65歳から受け取れる厚生年金は月13万1,800円。併給の国民年金と合わせると、月19万9,800円になります。

 

月収で30万円弱の給与差が付いていた、「ザ・平均の大卒サラリーマン」と、常にトップクラスを走っていた「エリートサラリーマン」。スタートラインは同じでも、現役時代はまったく違う景色をみてきた2人のサラリーマン。しかし65歳から受け取る年金の差は、たったの「1万8,300円」ほど。厚生年金の計算の元となる標準報酬月額は「32等級の65万円」が上限。そのため給与差ほど年金は差が生じません。この事実に元エリートは「う、嘘だろ⁉」と絶句……しかし、これが現実です。

 

たとえエリートだったとしても、60歳定年で現役を引退すれば、月20万円弱にしかならない公的年金。これで悠々自適な老後を実現するには心許ない金額です。たとえ常にトップを入るエリートサラリーマンでも、老後を見据えた自助努力は必須。このことを知れば、エリートに抱く妙な競争心も嫉妬心も消えてしまうのではないでしょうか。

 

[参考資料]

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』