40歳、働き盛りの正社員の妻が亡くなったら
さらに共働きの妻が亡くなったら……ということも考えてみましょう。
会社員女性(平均年齢40.9歳)の平均給与は月収で28.1万円、賞与も含めた年収は440.8万円。このような会社員の妻が亡くなった場合、まず遺族基礎年金は、前出と同じ額をもらうことができます。
次に遺族厚生年金。亡くなった時点での標準報酬月額は34万円。こちらも300ヵ月とみなし計算します。すると、年間41万9,297円。遺族年金は合計、年間170万4,897円、1ヵ月あたり14万2,074円を受け取れることになります。
ただし夫の場合、遺族厚生年金は妻が死亡した当時に55歳以上でなければ対象にはならず、多くが遺族基礎年金だけを受け取ることになると考えておいたほうがいいでしょう。
両親とも亡くした子どもが受ける「遺族年金額」
夫が亡くなったら。妻が亡くなったら……万が一のことを考えた際に頼りになる遺族年金。ただ本当に考えられる最悪のケース、両親ともに亡くなった場合、残された子どもは、いくら、遺族年金を受け取れるのでしょうか。
父(母)が亡くなった場合、母(夫)が遺族年金を受け取るので、その間、子の遺族年金受給権は停止状態となります。この受給権は、親が亡くなると復活します。
ただし、残された子は、父母2人分の遺族年金を受け取ることはできません。どちらか一方を選ぶことになります。前出の場合、父が亡くなったことによる遺族年金は年間179万1,222円、母が亡くなったことによる遺族年金は年間170万4,897円。父の遺族年金を受け取る申し出をするのが正解といえるでしょう。
また前年の所得が462万1,000円以下の場合に支給される「遺族年金生活者支援給付金」も残された子ども受給できます。ちなみに非課税である遺族年金は、給付金の判定の際に所得には含まれません。支給額は月額5,140円ですが、2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合は、5,140円を子の数で割った金額がそれぞれに支払われます。
残された2人の子どもが受け取れる遺族年金等は、月15万円強ほどにしかならない計算。今回は単純計算によるものでしたが、両親ともに亡くなるという最悪のことが起きた場合、社会保障は「これでどう生きていけと?」と思わず口にしてしまうほどしかないと考えておいたほうがいいでしょう。本当に万が一のことを考えるなら、それなりの備えが必要といえそうです。
[参考資料]