5年に一度、調査・公表される『住宅・土地統計調査』。その速報値により、深刻化する空き家問題の実態が明らかになりました。みていきましょう。
腐り、朽ちていく…全国158万戸「放置空き家」の実態【47都道府県・最新「空き家率」調査】

腐朽や破損が進む放置された空き家「全国で158万戸」あるが…

さらに都道府県ごとにみていきましょう。総戸数に占める「腐朽・破損のある放置空き家」の割合が最も高いのは「鹿児島県」。総戸数89万9,200戸に対して、腐朽・破損のある放置空き家は3万4,800戸で、割合にして3.87%。一方で、最も割合が低いのは「東京都」で、総戸数819万8,900戸に対して、腐朽・破損のある放置空き家は3万7,600戸。割合にして0.46%でした。

 

また「放置空き家」に対して「腐朽・破損がある」割合が最も高いのは「沖縄県」。放置空き家2万7,900戸に対して、腐朽・破損があるのは9,800戸。割合にして35.13%でした。続いて「青森県」「秋田県」「愛媛県」「長崎県」と続きます。また最も割合が低いのは「滋賀県」。放置空き家4万7,900戸に対して、腐朽・破損があるのは8,300戸。割合にして17.33%。

 

【都道府県「放置空き家」の腐朽・破損が進む上位10】

1位「沖縄県」35.13%

2位「青森県」30.36%

3位「秋田県」30.07%

4位「愛媛県」29.93%

5位「長崎県」29.74%

6位「徳島県」29.54%

7位「高知県」28.74%

8位「鹿児島県」28.48%

9位「山口県」27.79%

10位「和歌山県」27.14%

 

空き家を放置しておくことは、大きなリスクが伴います。まず前述の通り、防災面で大きな問題があること。万が一、倒壊して周囲に損害を与えることになったら、金銭的に大きなデメリットを被ります。また倒壊までいかなくても、害獣や害虫の拡散源になったり、公衆衛生を悪化させたりなど、周囲に与える悪影響は多岐に渡ります。

 

また2015年5月に全面施行された空家法により、「特定空家等」に認定され、それでもなお放置を続けると、罰則が適用され、最大で50万円の過料に処される可能性があります。

 

ほかにも税金の負担が増えるなど、空き家の放置はデメリットしかありません。そもそも「空き家にしない」ことが大切。空き家の発生原因の半数以上が相続によるものといわれています。親が元気なうちに方針を決めておくことが重要。相続後、誰が済むのか、売却するのか/貸すのか、解体するのか……関係者で話し合い、決めておくことで「空き家」の発生を防ぐことができます。

 

[参考資料]

総務省『令和5年住宅・土地統計調査』

政府広報オンライン『空き家の活用や適切な管理などに向けた対策が強化。トラブルになる前に対応を!』