日本では「生涯未婚率」が急上昇しています。多様性の時代、結婚だけが幸せの必須条件ではなくなりましたが、未婚のまま過ごすことによって高まるリスクが存在するのもまた事実です。本記事ではAさんの事例とともに、生涯独身を貫く場合に必要となるリスク管理について、長岡FP事務所代表の長岡理知氏が解説します。
孤独を愛する年収690万円・貯金4,000万円の独身男性、事故物件の隣室に住まう徹底ぶりも…齢49歳、「最高のおひとり様人生などない」と悟った瞬間【FPが解説】 (※画像はイメージです/PIXTA)

今後の家賃の不安

FPが言うには、「まず、まだ療養中の身なので仕事を続けられるか不安かもしれませんが、障害が残らなかったので前向きに考えてもいいと思います」ということでした。

 

そのうえで、もしこのまま退職してしまったら今後の金銭面はどうなるのか、シミュレーションしてみました。すると、現在の貯蓄が4,000万円と潤沢ですが、一生仕事をせずに生活するのは不可能ということがわかりました。障害がないため障害年金がないこと、賃貸暮らしのため家賃の不安が非常に大きいことが原因です。

 

では賃貸暮らしをやめ、持ち家を買うべきなのかというと、FPは「あまり意味がない」と言います。

 

そもそも病歴から住宅ローンに必須の団体信用生命保険(団信)への加入が難しいことが挙げられます。仮に団信なしの住宅ローンを借りた場合、民間の生命保険で備えなければ死亡時に兄2人に負の遺産を残すことになります。

 

住宅ローンの返済期間は一般的に80歳までしか契約できません。老後も長く住宅ローンが残るうえ、もし貯蓄で繰り上げ返済をすると自分の介護費用が残らなくなります。つまりキャッシュフローが破綻してしまうのです。

 

もし今後も独身のままだとしたら、亡くなるまで自宅で1人で生活できないかもしれません。そうなると住宅ローンを抱えながら老人ホームの費用を支払う必要性も出てきます。家を損失なく売却できるのは、都心のタワーマンションか自己資金を多く入れた場合のみと考えていいでしょう。多くは負債を残して売却することになります。

 

また、もし今後結婚あるいは誰かと一緒に住むことになったら、相手の事情によっては家を売却する必要性に迫られます。この場合も負債を多く残すことになり、金銭的なデメリットが大きくなります。

 

生活が落ち着いたら、状況に応じて中古住宅、中古マンションをオールキャッシュで買えるようにするのが現実的かもしれません。

 

今後、病気が再発して障害を負った場合はどうなるでしょうか。