日本人の持ち家率は6割を超え、依然として「持ち家派」が多数を占めています。いつ買うか、は大きな問題ですが、ひとつのきっかけになるのが「子どもの誕生」。子育てをするうえで、持ち家のほうが何かと都合がいいと考えるようですが、そこで夫婦の価値観の違いが浮き彫りになることも。みていきましょう。
離婚を考えています…世帯年収「1,000万円」新婚2年目の30代サラリーマン夫婦、マイホームの夢を語る妻に放った夫の「驚愕のひと言」

不動産価格の高騰で「ペアローン」を選択する夫婦は増えているが…

サラリーマン世帯が購入を検討する新築物件でも、昨今の不動産価格を受け、特に首都圏であれば、7,000万円、8,000万円というのも珍しくなく、時に1億円近くにもなることも。1人だととても手が届かないと、ペアローンを組むケースも増えているといいます。

 

ペアローンであれば、単独でローンを組むよりも借入額を増やすことができます。単純に夫と同等の収入が妻にあれば、単純計算、2倍の住宅ローンを借りられ、一般的なサラリーマン世帯でも億ション購入が現実的になるわけです。さらに住宅ローン減税を2人分受けられることもメリットです。

 

一方でペアローンのリスクとして挙げられるのが、まずは「収入の減少」。子どもが生まれる前の収入で返済プランを立てた場合、子どもの誕生と共に産休や育休を取ると、当然、収入は減少。最悪、ローン返済が滞るという場合も。また子どもの成長の過程で、いまと同じように働き続けらえるという保障はありません。子育てと両立するために、正社員から非正規社員へ。当然、収入も減少……よくあるパターンです。

 

また単独でローンを組む場合、契約者が「死亡」すれば、団信によって住宅ローンは完済となりますが、ペアローンの場合、もう片方のローンは残り、完済とはなりません。

 

そして夫の発言のとおり、「離婚」も大きなリスク。ペアローンではお互いが連帯保証人になり、ローンにより持ち分は変わりますが、共有名義になります。双方の同意がないと売却はできません。離婚し、夫婦どちらかが住み続ける場合、単独ローンに切り替える必要がありますが、夫婦2人分の収入を基準にローンを組んでいるので、1人では返済が難しい場合も。売却もひとつの選択肢ではあるものの、家が売れてもローンが残ることも珍しくありません。

 

こうしてみていくと、離婚を前提とした夫の発言は、妻に対する配慮が欠如したものだったかもしれませんが、ペアローンのリスクを鑑みて、「買うなら妻単独で」という夫のいうことにも一理あります。

 

一生、賃貸か、それとも持ち家か……いまのところ、夫婦の主張は平行線を辿っているといいます。

 

[参考資料]

株式会社AlbaLink『マイホーム購入のタイミングに関する意識調査』