「フラット35」という住宅ローンはご存知でしょうか? CMや広告で「聞いたことがある」という人もいるでしょう。フラット35の種類やメリットについて、田方みき氏・関尾英隆氏による共著『Q&Aで簡単!家づくりのお金の話がぜんぶわかる本 2024』(エクスナレッジ)より一部抜粋して、ご紹介します。
Q2. 【フラット35】Sって何?どんな家が対象になるの?
⇒A. 耐震性などの性能をクリアすると一定期間、フラット35よりも低金利です
フラット35よりも低い金利が一定期間適用になるので、毎月返済額や総返済額をより少なくできるのが【フラット35】S。利用するにはフラット35の基準に加えて、高い水準の断熱を実現した「省エネルギー性」、地震に強い「耐震性」、高齢者等にやさしい「バリアフリー性」、長く暮らせて間取り変更などが用意な「耐久性・可変性」のうちの1つ以上を満たす必要があります。
2022年10月以降の設計検査申請分からは、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを加速するために、省エネルギー性の基準が見直されたほか、ZEH等住宅も【フラット35】Sの対象に。一部、基準が緩和され、免震建築物は【フラット35】Sの金利Bプランから、金利Aプランの対象に見直されました。【フラット35】Sの基準はとても細かいので、これから建てる家が対象になるかは住宅会社に尋ねるといいでしょう。
ZEH(ゼッチ)
ZEHとはネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略。断熱性能や省エネ性能が高く、太陽光発電システムなどでエネルギーをつくることで、「使うエネルギー≦創るエネルギー」になる住宅のことを指す。
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【ここが大切】
●金利Aプランは、断熱性能等級5&一次エネルギー消費量等級6/耐震等級3or免震建築物/高齢者等配慮対策等級4以上/長期優良住宅のなかから1つ以上を満たすことが条件。
●金利Bは、断熱等性能等級4&一次エネルギー消費量等級6、もしくは断熱等性能等級5以上&一時エネルギー消費量等級4または等級5/耐震等級2以上/高齢者等配慮対策等級3以上/劣化対策等級3&維持管理対策等級2以上から1つ以上を満たすこと。
●2022年10月からZEH等の基準に適合する住宅も【フラット35】Sの対象になった。金利の引き下げ期間は5年間。2022年9月以前の設計検査申請分も、再度、申請を行うことで適用される。
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あすなろ建築工房 代表取締役
大学・大学院で建築学を専攻後、大手設計事務所に勤務。個人設計事務所として独立後、2009年に「設計事務所+工務店」あすなろ建築工房設立。
<資格>
一級建築士/増改築相談員/CASBEE戸建評価員/家庭エコ診断制度 うちエコ診断士/既存住宅現況検査技術者/特定住宅リフォームカウンセラー/神奈川県震災建築物応急危険度判定士/住宅瑕疵担保責任保険ちきゅう住宅検査員/JBNインスペクター(省令準耐火構造)/住宅省エネルギー技術者講習・施工技術者講習 地域リーダー/二級建物アドバイザー
【⇒あすなろ建築工房(https://www.asunaro-studio.com/)】
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コピーライター
広告制作プロダクション勤務後、フリーランスのコピーライターとして活動。現在は主に、雑誌・Webで住宅にかかわる記事の取材、編集、執筆に携わる。
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