厚生労働省から令和5年の『賃金構造基本統計調査』の結果が発表され、最新の会社員の給与事情が明らかになりました。そこでは企業規模による給与格差が明らかに。みていきましょう。
惨めでした…月収42万円・中小勤務の46歳サラリーマン「同窓会でポツン」会社自慢が止まらないエリート同級生、その隣で覚えた虚無感

「あえて中小企業を選んだ」…20年前の就職活動をいまさらながら後悔

こうして選んだ都内の中小企業に内定が決まり、それから20年ほどの時が経ったころ、高校の同窓会の便りが来たといいます。当時、学年主任だった教師が定年を迎えるにあたり、地元に残る有志が企画したもの。地元を離れて20年。すっかり距離ができた同級生に、それほど会いたいとは思わなかったとはいいますが、お世話になった恩師が定年を迎えるのだから、と参加を決めたといいます。

 

同窓会に参加した後日、「参加しなければよかった」とポツリ。

 

――すごく惨めな気持ちになった

 

と振り返ります。

 

・100人近く集まった同窓会だった

・自分と同じく東京の大学に進学→大企業に就職した同級生がいた

・誰もが知る超一流企業。とにかく会社と給与の自慢話が止まらない

・自分は広い同窓会会場でポツンとひとりで。彼の自慢話に耳を傾けただけだった

・何で自分は「中小企業がいい」とうそぶき、大企業にこだわらなかったのか……

 

まわりが「お前、本当にエリートだな」と囃し立てられる大企業勤務の同級生を横目に、20年以上も前の就職活動を思い出し後悔する……そんな1日だったと振り返ります。

 

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、サラリーマンの平均給与は、月収で35.0万円、年収で569.8万円。また大卒・中小企業勤務のサラリーマン(平均年齢45.1歳)の平均給与は月収が36.1万円、年収が544.5万円。それに対し、大卒・大企業勤務のサラリーマン(平均年齢43.2歳)の平均給与は月収43.4万円、年収が749.0万円。

 

平均給与で考えると、46歳・中小企業勤務の男性は、月収42.0万円、年収648.4万円。一方で同窓会で主役だった同級生は、月収49.2万円、年収で848.8万円。月収では7万円ほどの差も、年収では200万円近い格差に。

 

さらに大学卒業以来、ずっと中小企業で勤務した場合と、ずっと大企業で勤務した場合の生涯年収を比べると、およそ3,000万円弱の差が生じます。地方であれば家が買えてしまう差が付くわけです。

 

【年齢・企業規模別「サラリーマンの給与」の推移】

20~24歳:24.7万円(368.5万円)/23.3万円(324.8万円)

25~29歳:29.2万円(515.5万円)/27.0万円(405.6万円)

30~34歳:34.9万円(615.9万円)/29.9万円(462.3万円)

35~39歳:40.7万円(735.4万円)/33.9万円(525.5万円)

40~44歳:46.0万円(795.3万円)/37.5万円(578.5万円)

45~49歳:49.2万円(848.8万円)/42.0万円(648.4万円)

50~54歳:55.5万円(958.8万円)/43.1万円(650.2万円)

55~59歳:56.8万円(976.9万円)/44.4万円(661.5万円)

60~64歳:39.1万円(644.5万円)/37.2万円(540.9万円)

※数値左より、大企業勤務の男性の月収(年収)/中小企業勤務の男性の月収(年収)

 

大企業と中小企業、埋まることのない給与差。仕事はお金じゃないと言い聞かせても、「なぜ、自分は中小企業を選んだのか……」と、男性はいまさらながら虚無感に襲われているといいます。

 

[参考資料]

株式会社SynergyCareer/「就活の教科書」『就活生の嘘に関する実態調査』

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』