敗因は「すぐに利益をあげられる」という気持ち
山田さんがFXで大失敗した原因は、すぐに利益をあげられると思い、十分な準備もなしにリアルトレードを始めたことにあります。さらに取引対象にボラティリティの大きなポンド円を選んだことで、傷口が広がってしまいました。
また、山田さんはもともとギャンブル好きだったのか、FXのスリルを楽しんでいたようにも見えます。相場を分析して優位性のあるところを探すというよりも、上昇するか下降するかを丁半バチで当てるようなトレードをしていたことも失敗の原因でしょう。
確かにFXでは、初心者がいきなり大きな利益をあげることもあります。しかし、それを継続するのは難しく、安定した成績を残すにはそれなりの知識やスキル、経験が欠かせません。「簡単に稼げそう」という安易な気持ちだけで始めると、痛い目に遭う可能性が高いわけです。
実は山田さんのように、FXを始めたものの短期間で退場してしまうケースが多いことが、最近の調査で明らかになっています。
FX退場者の半数が1年未満でやめている
FXをやめた人を対象に行った、独自のアンケート調査の結果を2つ紹介します。1つ目は、FXをやめたタイミングに関する質問です。
最も多かったのが「6カ月~1年未満」で26.4%、これに「1年~2年未満」が24.6%、「6ヵ月未満」が22.9%で続いています。1年未満で集計すると49.3%で、FXをやめた人のうち半数近くが1年も経たずに退場しています。山田さんはFXを始めて半年もせずに退場しましたが、これは決してめずらしいケースではなかったことがわかります。
次に、FXを始めた当初の目的について見てみましょう。
「短期的な利益獲得で」が32.4%で最も多く、これに「長期的な資産増加」が17.6%、「スワップポイントによる利益獲得」が16.9%で続いています。「短期的な利益獲得」が頭一つ抜けて高い割合となっており、FXをやめた人のなかには、短期的に利益を出そうとしてFXを始めた人が多いという結果です。
確かにFXは短期間で利益を出すことも可能ですが、それは決して簡単なことではありません。山田さんのケースのようにならないためにも、FXでは真面目に取り組む意識が大切になるといえるでしょう。