「正社員」の仕事がないから「非正規社員」を選んでいるわけではない
総務省『労働力調査 2023年(令和5年)平均結果』によると、2023年、雇用者は6,076万人で前年比22万人増。そのうち正社員は3,615万人で前年比18万人増、非正規社員は2,124万人で前年比23万人増でした。
年齢別にみていくと、20代前半から30代前半にかけて減少し、その後、増えていく傾向にあります。これは、結婚・出産を機に非正規社員を選択する女性が多いからと推測できます。
20~24歳:188万人(91万人/97万人)
25~29歳:117万人(46万人/72万人)
30~34歳:119万人(36万人/83万人)
35~39歳:141万人(31万人/111万人)
40~44歳:171万人(28万人/143万人)
45~49歳:208万人(30万人/178万人)
50~54歳:222万人(32万人/190万人)
55~59歳:195万人(34万人/161万人)
60~64歳:257万人(106万人/151万人)
65歳以上:417万人(211万人/206万人)
※数値左より、非正規社員の総計(男性の非正規社員数/女性の非正規社員数)
なぜ非正規社員でいるのか。最も多い理由が「自分の都合のよい時間で働きたいから」で、全体の占める割合は34.7%。ついで「家計の補助・学費等を得たいから」18.3%、「家事・育児・介護等と両立しやすいから」11.2%。「正社員の仕事がないから」は9.6%でした。
10年前の2013年と比較すると「自分の都合のよい時間で働きたいから」の全体の占める割合は10.5%増、一方で「正社員の仕事がないから」はマイナス9.6%でした。
この10年で、「仕方なく非正規社員でいる」という人は大きく減少し、一方で「あえて非正規社員でいる」という人が大幅に増加。特に増加幅が多いのが20代前半で18.0%増。20代後半で11.5%増、30代後半で11.2%増となっています。