4.投資詐欺の想定被害金額は「50万円~100万円未満」が15.1%、「10万円~50万円未満」が13.9%と多い
接触した投資詐欺に巻き込まれた場合の想定被害金額について質問したところ、最も高い割合は「被害を受けることはない」の22.7%でした。投資詐欺と接触したとしても、自分は引っかからないという自信を持った人が多いようです。
なお、金額を回答した人の中で最も多かったのは「50万円~100万円未満」で16.5%、続いて「10万円~50万円未満」で15.2%、「100万円~300万円未満」で12.3%という結果となりました。「10万円未満」の少額被害よりも、一定規模の被害を受ける可能性が高いことがわかります。
「50万円~100万円未満」は決して小さい金額ではありませんが、手が出せないことはない水準と考えられます。極端な高額を狙うのではなく、手が出せる範囲内でできるだけ大きな金額を出させようとする投資詐欺が多いのかもしれません。
【参考情報】投資詐欺の想定被害金額(詐欺タイプ別/年齢別)
次のグラフでは、想定被害金額を詐欺タイプ別に集計しました。
4つの詐欺タイプいずれについても、10万円~300万円未満が最も高く、全体的な傾向はほぼ同じといえるでしょう。
細かく見てみると、「学習教材/ツールの販売」については10万円未満が他よりも高い傾向となっており、100万円~300万円未満ともほぼ同水準です。学習教材/ツールといったものに関しては、最初は入口として低い金額のものを販売するケースも多いことが考えられます。
また、「高利回りな投資話」については、50~100万円未満が高い割合となっており、一定規模の金額の投資を持ちかけてくるケースが多いようです。同時に「被害を受けることはない」と回答している人が他のタイプと比較して最も少なく、警戒する必要性が非常に高い投資詐欺といえるでしょう。
次に、年齢別で集計したグラフです。
最も年齢による違いが表れたのが「被害を受けることはない」で、上の世代ほど割合が明確に高くなっています。20代では10.9%ですが、世代が上がるとともに割合は上昇し、60代以上では50.0%という結果でした。
昨今のニュースでは高齢者の詐欺被害の多さから、上の世代の人ほど騙されやすいイメージもあります。しかし、この結果を踏まえると、上の世代になるほど投資詐欺に対する警戒心が高く、自己防衛ができているのかもしれません。
“ウマい話”に巻き込まれる人を減らすために
今回の調査結果をまとめると以下の通りです。
・過去1年間の投資詐欺で最も利用されているのは「FX」で、「不動産」と「暗号資産」がこれに続く
・投資詐欺は「メール/SNS/Webサイト」といったインターネットを利用したものが中心だが、依然として「電話」による勧誘も見られる
・投資詐欺に巻き込まれた場合の被害金額は、「50万円~100万円未満」の規模になることが多いと推測される
この結果からは、昨今の投資詐欺がどのような形で行われているのかが見えてきます。こういった“ウマい話”に巻き込まれる人を減らすためにも、社会全体で金融リテラシーの水準を高めていくことが大切といえるでしょう。