コロナ禍の行動制限が嘘のように、外国人観光客であふれかえっている昨今。彼らは至る所で「日本特有の風景」に感動しているようです。それは日本人には当たり前すぎる日常のなかでも。みていきましょう。
信じられない…「深夜のコンビニ」を訪れた〈外国人観光客〉口を覆いながら「クレイジー」と連呼したワケ

それから日本独自の進化を遂げ、その充実ぶりは外国人観光客の感動を誘うほど。ラインナップ豊富なおにぎりにサンドイッチ、レジ前で思わず手に取ってしまうホットスナック。日本のお菓子はどれも珍しく、アイスクリームの充実ぶりにも思わず感激。買い物袋にパンパンの外国人観光客もよく目にします。何よりも「深夜までお酒が買えるなんて、本当に日本はアメージングだね」と外国人。世界が誇る日本の治安の良さが、コンビニのラインナップに表れているわけです。

 

さらに深夜のコンビニで口を覆い「なんてクレイジーなんだ」と驚く外国人。彼らが見たのは、深夜のコンビニで働いている高齢者の姿。

 

――やはり日本人は勤勉だね、こんな夜中に、こんなお年寄りが働いているんだから

 

「スゴイよ」「ヤバいよ」と繰り返す外国人。内閣府『高齢社会白書』によると、2022年、「65歳以上の高齢者の就業率」は25.2%。この10年間で5ポイント以上、上昇しました。さらに細かくみていくと「70~74歳の就業率」は33.5%、「75歳以上の就業率」11.0%。後期高齢者でも10人に1人は現役で働いています。

 

主要国における高齢者の就業率をみていくと、「アメリカ」18.6%、「カナダ」13.9%、「イギリス」10.9%、「ドイツ」8.4%、「イタリア」4.9%、「フランス」3.9%。特にヨーロッパ諸国と比べると、日本における高齢者の就業率は段違いで、特に「深夜のコンビニで働く高齢者」となると、本当に珍しいものに出会った感覚なのでしょう。

 

ただ高齢者になっても働く日本人。その理由のトップは「収入がほしいから」で45.4%。「働くのは体によいから、老化を防ぐから」が23.5%、「仕事そのものが面白いから、自分の知識・能力を生かせるから」が21.9%と続きます。

 

半数近くが「お金のため」、つまり「働かないと暮らしていけない」の裏返し。外国人観光客、そんな日本の高齢者の切実な現実を知ったら、どんな想いで深夜のコンビニに訪れることになるのでしょうか。

 

[参考資料]

日本政府観光局『訪日外客統計』

観光庁『訪日外国人消費動向調査』

株式会社mov/「訪日ラボ」『インバウンド人気観光地ランキング』

内閣府『高齢社会白書』